2011年10月8日土曜日

春秋航空高松便


高松空港から上海へ飛んでみました。上海へは岡山から中国東方航空の便が毎日あるのですが個人で切符を買うとなると燃油サーチャージ込みで往復約6万円になります。一方春秋航空高松便は日曜日と木曜日の週2回の運航で使い勝手は悪いものの料金は岡山発の半額以下で、新幹線で岡山東京を往復するのと大差ありません。

客層は7割ぐらいが中国人観光客、2割が高松からのパッケージツァー、残りが私のような個人客のようでした。空港には狭いながらも免税店があり、中国人御一行様が最後のショッピングをしていました。皆さん例外なく電気がまを最低2個買って機内に持ち込むので通路側に座っていると電気がまの段ボール箱が容赦なく肩に当たります。

おそらく預入荷物のなかにも炊飯器が3,4個は入っているはずで、なぜこのキッチン用品がこんなにも中国人の心を捉えるのか本当に不思議です。免税価格といってもそんなに安くはないし、中国でも買えるはずなのに…お土産として親戚中に配るとか、転売して旅費に当てるとかいろんな説がありますが真相はどうなのでしょう。

座席はどうやら中国人と日本人が隣り合わせにならないように配慮しているらしく往復とも機内で中国人に日本の感想やお土産の謎を聞くチャンスはありませんでした。

機内サービスはすべて有料というのは従来型のフライトに慣れている人にとってはやや違和感があるかもしれません。しかしわずか2時間のフライトに食事は邪魔だし居眠りしようとしたらお茶で起こされるのもわずらわしくサービスゼロというのは合理的だと思います。

ほどなく上海に到着。以前は空港から市内まで時速400キロのリニアモーターカーに乗りさらに地下鉄2号線に乗り換えていたのですが、今は2号線が空港まで延伸されていてあえて運賃が高いリニアカーに乗る必要はなく移動が非常にスムーズでした。

10月1日は国慶節でしかも今年は辛亥革命100周年記念の年であり繁華街は大変な人出でした。火の消えたような日本から見た中国はまさに今が絶頂期、パワーが渦巻いていました。

あまりに広大で奥深い中国の入口として上海ほど便利な都会はほかになく、春秋航空は上海を起点に多数の国内路線を張っています。11月には再度訪中し漢詩でおなじみの武漢あたりへ出かけてみようと帰国と同時に8500(片道)で上海便に予約を入れました。

上海旅行


両親の介護というおそろしく単調な生活をしていると無性に旅をしたくなります。ヨーロッパやアメリカまで出かけるのは日程的に無理がありこの10年、飽きもせず繰り返し台北、上海、バンコクに出かけてきました。

今日もこれから久しぶりに上海へ向かうところですが、震災で就航がのびのびになっていた中国の格安航空会社、春秋航空が高松路線を設け7月から飛び始めたのでそれを体験してみるのも旅の目的のひとつです。

最近ダイエットして10キロほどスマートになったのでまさか体が狭い席に収まらないということはないと思うのですが少し心配。インターネットでチケットを購入した際、一番前の足元が広い席が2千円アップで売られていたのが気になります。格安航空に乗る以上は何でも切り売りしてくる各種有料サービスの誘惑にのらないという自分なりのポリシーに従って座席は指定していません。出たとこ勝負です。

上海といえば先日地下鉄で衝突事故が発生したばかりですが、どんどん路線を拡大する地下鉄に乗らないで旅行することはできません。信号システムに問題があるといっても、毎日朝から晩までちゃんと走っているのだから、乗らないという選択をするほど危なっかしいものではないでしょう。ただぶつかってもぶつかられてもサバイバルできるように列車の真ん中の車両に乗るように心掛けたいと思います。

中国での度重なる鉄道事故やトラブルに対して、日本は新幹線が開業して以来約半世紀、事故による死者はゼロであることを強調していますが、在来線では鉄道史上もっとも悲惨だった鶴見事故(1963)が起き161名の乗客が死にました。私の母方の従姉妹もこの事故の犠牲になりました。

そして2005年の福知山線尼崎駅の事故では107名の方がなくなりました。中国のことを笑えない悲惨な歴史の上に今の日本の安全な鉄道があることを忘れてはいけないと思います。

思えばアジアの都市の魅力というのは上海の例のようにほんの30年前はお話にならないぐらい前近代的だった街があらゆる矛盾をかかえたまま最先端都市に変貌していることにあるのではないでしょうか。

昨年のバンコクの大規模デモ、最近の中国の鉄道事故…みんな日本が30年か40年前に体験してきたことだからこそ、いまアジアの熱気がせつなくもあり、また“なつかしく”思われるのかもしれません。