7月は参議院選挙と東京都知事選が立て続けにありました。参院岡山選挙区でも無名の新人女性が同じく無名の男性2人を大きく離して当選しましたが、何と言っても世間の注目を引いたのは都知事選に所属政党が定める手順を無視して名乗りをあげ、都民から圧倒的な支持をかちえた小池百合子氏の存在でした。
都知事選は舛添前知事のあまりにせこい公私混同による辞任にともなう選挙で、最初は主要3候補とも争点がはっきりしなかったのですが、中盤から“都議会のドン”なるものの存在が大きくクローズアップされ、都議会との対決を標榜した小池さんの主張は都民の目をひきました。
これまで何十年もこのドンが知事をも尻に敷いて都政を思うままに牛耳ってきたというのですから驚きです。東京都以外の道府県議会、市町村議会でも似たり寄ったりの状況があるのではないでしょうか。このような戦果をもたらしたものはもちろん小池さんが、闇の深さも分からないまま勇気を出して“崖から飛び降りた”からにほかなりません。
このあたりになんだかんだといって権威と組織の序列に弱い男の政治家にはない度胸のよさを感じます。話を広げることになりますが、そもそも男の候補者たちが言っていることは抽象的でおおざっぱ、要は何をしたいのかしどろもどろではっきりしない(老ジャーナリスト候補)のに対して女性の主張は明解。何事においても女性が常に身近なことを具体的、実戦的に捉えるのはある意味、生物としての性の差に由来するのではないかという気がします。
テレビでサバンナのライオンの群の様子をよく見ますが、狩りをし、子育てをしているのは雌ライオンです。雄ライオンが何をしているかというと、もっぱら縄張りの管理(おしっこをまき散らす)と群の用心棒であり、ひまさえあればだれがドンであるか力比べをすることだけ。
協調性、生産性、緻密な計画性などすべての面で女性の方がほんとうは優れていることに日本も遅ればせながら気づいてきたのが昨今の政治状況ではないかと思います。それにしても東京オリンピックに向けて安倍総理は“女ヤジ将軍”こと丸川珠代氏を五輪相に任命し、小池都知事にぶつけてきましたが、品のかけらもないキャッツ・ファイトだけはよしてもらいたいと願います。