小学校高学年のころ不可解かつ奇怪な算術に苦しめられたものです。鶴亀算、水道算、旅人算、並木算のたぐい。教科書には載っていなかったものの、難関中学校受験問題集にはそんな奇怪算数があふれかえっていました。
鶴亀算と格闘する私に教員だった両親は、「そんなものは中学校に入って方程式を学べば簡単に解けるので覚える必要はない」と常識的な線でなぐさめてくれましたが、本当は親も鶴亀算など理解していなかっただけのような気がします。
鶴亀算に代表される算数文章題が小学生にとって必要かどうか現在でも教育関係者の間でホットな論争が繰り広げられています。
文章題は難関中学入試で生徒の選別にとって必要であるとか、方程式に入る前に論理的思考を養うのに効果があるとかないとか。不毛な論争です。
さて、鶴亀算や方程式などにとらわれることなく、もっと楽で最短な答えの求め方(私流)というと次のようになります。
例題。鶴亀あわせて20羽(匹)、足の数は52本の場合。
鶴を基準に考えます。鶴の数は1羽から19羽の中に正解があるのでまず半分の10羽で計算。この場合足が60本になるので、正解の鶴は11羽と20羽の間にあるはず、そこでまた真ん中の15羽で計算(50本)。つまり2分法で正解を求めるというわけです。
例題の場合、たった2回の計算ですでに足の合計が50本になったので正解は鶴をもう1羽減らした14羽になります。
では鶴亀の合計が500羽(匹)ぐらいだったら大変かというと、大丈夫、鶴亀算はなぜか鶴亀合計で20羽(匹)以上という例は見たことがありません。それと鶴あるいは亀がゼロということがないのがいかにも”算数”です。