毎年12月になると新語・流行語大賞なるものが発表されます。今年は「ゲゲゲの~」、「ととのいました」、「~なう」などが選ばれました。しかし必ずしも時代の特色を鮮明に捉えているわけでもない言葉はあっというまに忘れ去られます。昨年の新語にどんなものがあったかなど遠い記憶の片隅にさえありません。
それでも今年の流行語のなかでは若者が携帯メールで使う「~なう」は便利かなと思いました。語源は英語の”now”で「渋谷なう」(今渋谷にいるよ)のように使うとか。
この「~now」で思い出したのがベトナム戦争を描いたフランシス・コッポラ監督の「地獄の黙示録」です。原題は”Apocalypse now”(現代の黙示録)。ベトナム戦争で見られた人間の悪魔性についてこんなにも直観に訴える作品は他になくおぞましさのあまり映画館の巨大なスクリーンを直視できませんでした。
ウィキリークスによって最近暴かれたアメリカ兵によるイラク住民虐殺シーンの映像を見ると今も米軍前線は「地獄の黙示録」の時代と少しも変わりません。
今年はこのウィキリークスだけでなく、日本では菅内閣が理由もないのに公開を拒んだ尖閣映像が海上保安庁職員によってユーチューブに投稿され大騒ぎになりました。また尖閣ビデオ以上に深刻な影響があったのが警視庁から流出したといわれる「公安テロ情報」です。
さてインパクトのない今年の新語・流行語に私がぜひ付け加えたいのが中国外交部の報道官が口にした「雰囲気」という言葉です。ハノイでの日中首脳会談を尖閣問題を理由にドタキャンした中国側の言い草は「日本側の行動が中日両国の首脳会談に相応しい雰囲気を壊した。日本側は責任を負うべきだ」でした。(中国国際放送2010年10月29日より)
使える言葉です。浮気がばれて離婚を迫られ高額な慰謝料を突きつけられてもあわてず騒がず「お前の焼きもちが夫婦間の良好な雰囲気を壊した。慰謝料を払うのはお前の方だ」と堂々と言えばいいのです。
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