2020年5月27日水曜日

クワの実が熟れる季節

5月末から6月初めにかけての梅雨前、晴天に恵まれた日が続きます。家庭菜園ではタマネギやニンニクの収穫適期になり、また連休中に植えたナス、キュウリ、トマトがぐんぐん大きくなる季節です。今年は3年ほど前に庭に植えたクワの木に実がたわわになり始め、手を紫に染めながら一つずつ収穫しています。ジャムにするとこれが絶品なのです。
そういえば、童謡の「赤とんぼ」にクワの実が登場しますね。
「赤とんぼ」
夕焼、小焼の、あかとんぼ
負はれて見たのは、いつの日か。
山の畑の、桑の実を、
小籠に、つんだは、まぼろしか。
十五で、姐やは、嫁にゆき、
お里の、たよりも、たえはてた。
夕やけ、小やけの、赤とんぼ。
とまっているよ、竿の先。
(三木露風作詞、大正10年、歌詞の表記にはゆれがある)
「赤とんぼ」という題名から私は長い間、季節は秋と思いこんでいたのですが、よく考えるとクワの実が熟すのはちょうど今ごろなので「あれっ?何か変」と思いました。でも歌詞の流れを追っていくと一つの年の初夏とか秋の出来事を描いたのではなく1番から4番まで歌詞をたどっていくと、そこには十数年ぐらいの歳月が流れていることがはっきりしてきました。
まだ歩くことができない幼児のころ、姐やに負われて夕焼けを見たのが1番、少年になって山の畑にクワの実を取りに行ったのが2番、そして3番は子守り奉公をしていた姐やが15歳で嫁に行ってしまった、そして4番では何とも甘酸っぱく少しさびしい記憶の流れを大人になった現在懐かしく思い出している。
三木露風のような詩人でなくてもどんな子どもも桑の実には何か郷愁を感じるのではないでしょうか。それが今や我が家の庭に何本も育ち、しかも品種改良のせいもありひとつひとつの実が大きいのです。

ざる一杯実を採ってきて軸などは取り除き、ざっと水洗いした桑1キログラムに対し砂糖400グラム、ペクチン、レモン汁を加え煮ていきます。煮詰めていけばジャムになりますが、私はまだ流動性が十分残っている状態で火を止めます。ミルクやヨーグルトとの相性が抜群。びっくりするぐらいおいしい桑の実プレザーブの完成です。


2020年5月20日水曜日

緊急事態宣言解除になって

新型コロナ感染症の流行にはずいぶんハラハラさせられましたが、5月も半ばを過ぎた昨今、状況は目に見えて沈静化してきました。そして北海道および首都圏4都県以外の府県では緊急事態宣言が解除となり、デパートや飲食店も再開され街に活気が戻り始めました。
ところが自治体の長やマスコミの論調を聞くと何やら人出が戻ってきたことを素直に歓迎していないような口ぶりなのが気になります。国が宣言を解除したのは、今までステイホームで経済活動、人と人との交流など国民生活が死んだようになっていた状態から目を醒まし日常を取り戻すためだったはずなのに、です。
そう言えば「3密」という東京都知事が流行らせた言葉の定義も最初は、密閉、密集、密接の3つが重なることは避けなさいということだったはずなのに、いつのまにかこれら3つのいずれか一つでもあればダメと拡大解釈されてきました。
そして岡山県知事の「岡山県に来たことを後悔させてやる」発言です。これは岡山県に限らず全国あちこちで他府県ナンバーの車が攻撃されるという常軌を逸した行為にまでエスカレートしました。ひどい例では駐車した車に傷が付けられるとか他府県ナンバーの車を写真に撮ってネットにさらすなどということも行われたようです。
そもそも政府が緊急事態宣言を発した理由は感染爆発により医療崩壊が起こることを避けるという明確な目的があってのことでした。つまり、新型コロナウイルスには今のところ有効なワクチンも特効薬もないが、病院で対処できる範囲にダラダラ流行を下げることで、遠くない将来コロナと人間が共存できるところまでもっていきたいので、国民の協力をお願いしたいという趣旨でした。
ところが真面目かつ集団同調的な国民性もあって過剰な自粛や他府県民攻撃、陽性者・医療従事者いじめなどが起きたものと思います。統計学的に見てひとまず流行は終わったと見なしていいにも関わらず、マスコミは早くも「第2波、第3波を警戒せよ」と危機感をあおってきます。

コロナとは「適当に」つきあっていかないとそれこそコロナの思うつぼ。新しい患者がぽつぽつ出ても騒ぎ立てない、第2波が来たらそのときまた対策を取るというスタンスで十分ではないかと思います。

2020年5月13日水曜日

無意識のうちに逆走!

 高速道路を逆走して大事故を起こす高齢ドライバーの存在は一種の社会問題と化しています。対向車と正面衝突して双方の車に死者がでることも珍しくありません。
 高速道路を逆走してしまう主因はサービスエリアやパーキングエリアで休憩した後、出口ではなくもと来た方向へ走ってしまうことにあるようです。「そんなバカな!あり得ない」とニュースを見ながら高齢ドライバーにあきれてしまう私ですが、そのありえないことを先日自分でやってしまいました。幸い高速道路でなかったこと、信号付近のできごとであり、双方向ともすべての車が停止中だったことにまず感謝です。
 家のすぐ近くという訳ではないのですが一応生活圏にあるコンビニにでかけたときのことです。信号機のある交差点の角地にある大きなコンビニです。駐車場の一方は細い田舎道に面し、もう一方は片側2車線で中央分離帯をはさんで反対車線が2車線ある立派な道路に面しています。
 昼間たまに立ち寄るときは全然問題ないのに、先日夕方暗くなってそのコンビニに行った帰り、4車線道路を何故か上下2車線と勘違いし、右折して「左車線」に入りました。正面の信号は赤で停止。すると交差点の真向かいの車がライトを激しくハイビームとロービームを繰り返してきます。「えっ?私がハイビーム?」と頭をひねっていたら、助手席の同乗者が「逆走してる!」と絶叫。ようやく私も異常事態に気づいて信号が青に変わる寸前に交差点のど真ん中を横切って本来の走行車線に進むことができました。いやはや、自分の車の真っ正面にヘッドライトをつけた車があること自体おかしいのに、対向車から激しくパッシングされるまで気づかないなんて!
まったく無意識のうちにこんなとんでもないないことをしでかしてしまい、同乗者も対向車の方もさぞ肝を冷やされたことと申し訳なく思うとともに、「このようにして逆走が起きるのか」と怖くなりました。後日問題のコンビニの駐車場を見に行きました。とくに看板のようなものはなく、できれば「←お帰りは左折のみ」とでも案内標識があったらと思いました。昼間なら絶対(たぶん?)間違わないのに夜間の運転はこんなところにも落とし穴があったのか、と逆走は他人ごとではないことが身にしみて分かりました。