1月末、上海から列車で1時間ほど内陸に入ったところにある世界遺産の町、蘇州を訪ねました。
駅前から市バスに乗って、中国版ピサの斜塔ともいうべき雲岩寺塔がある虎丘(こきゅう)に向かいましたが、しっとりとした古都にあってバスの運転の荒っぽいこと上海以上です。
車道を走る自転車やバイクには絶え間なくクラクションをお見舞い、しかし警笛ごときではびくともしない自転車軍団に業を煮やしたバスは対向路線にまではみ出して走ります。
対向路線も同じ状況なのであわやと思われることもしょっちゅう。しかし中国流ではブレーキを踏んだ方が負けです。もしどちらも譲らなかったどうなるか?武力衝突です。
狭い道が渋滞しているので何事かと思って窓の外を見ると、観光三輪車が横転し、バイクも転倒していました。
激しく罵りあう運転手たちの横には日本人らしき観光客が呆然と立ちつくしています。見ていると、運転手たちは怒鳴りあいながらもいっしょに三輪車を起こしたので、コトは収まるのかと思ったけれどさにあらず。怒りが再燃した三輪車の運転手は外れたチェーンを振り上げてバイクの持ち主に殴りかかっていきました。
どうも紛争が起きたときすぐに警察にお願いするようなまどろっこしいやり方は中国人の好みには合わないようです。粗野と言えば粗野、しかし生きること、自分を守ることになりふりかまわずエネルギーをそそぎ込む彼らの情熱は感激ものでした。
現在、東シナ海では尖閣諸島をめぐって日中の”攻防戦”が続いています。海上保安庁の警笛などなんのその、「先にブレーキを踏んだら負け」中国当局はそう思っているに違いありません。
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