新しくこのブログを目にしてくれる人のために一番最初の記事を再度掲載しました。一口に7年といっても長い年月ですが、当初夢見た「実り豊かな夕べ」はいまだ訪れてはくれません。
(写真は若き日の筆者。1979年3月ドイツ旅行中に友人のGerhard Krebs君が撮影してくれもの。今年30年ぶりに交流が復活しました)
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午後4時。昼と言うには遅すぎるし、夕方というには早すぎる時間。私は中島みゆきの名曲「時代」を初めて聞いたとき、メロディーの美しさに酔うとともに歌詞のマジックに驚かされました。「回る、回るよ、時代は回る」これが私の耳には、「回る、回る、4時台は回る」と聞こえたのです。
子供のころ両親とも教師で鍵っ子のハシリでした。5時を回らないと帰ってこない母を待って不安な4時台を一人寂しく過ごしていました。中島みゆきはそんな4時台の不安、やるせなさを詩にしたのだと勝手に思っていました。
しかしながら、この真昼でもないし夕方でもない時間帯は本を読んだり、だれにもじゃまされないで音楽に聞き入ったりすることができる時間でもありました。その後の私の情操や価値観の中枢を形作った大切な時間だったように思えます。
今私は55歳。年老いた両親の介護のために長年務めた大学を辞めふる里の岡山に帰ってきました。人生の真昼は過ぎてしまったけれど、夕闇が訪れるにはまだ多少時間があります。まさに人生の4時台です。介護にも自分自身の生き方も「肩肘はらず、もっとスローに」をモットーに生きていこうと思います。やがて実り豊かな夕べが訪れることを信じて。
(中島みゆき 時代 YouTubeより)
http://www.youtube.com/watch?v=-KBK8TeT-gI&feature=related
2 件のコメント:
300回おめでとうございます。継続は力なりです。素晴らしいことと思います。
1979年といいますと、私がまだ生まれていない年ですね。そんな時代から海外をあちこち飛び回っているなんて羨ましい限りです。
もう一度英語を勉強し直して海外の友人を作ってみようかな。
「亀の甲より年の功」ということわざがありますが、年をとると若い時の感受性がなくなります。(実感!)外国語能力よりも感受性の方が大切です。中島みゆきだって若いころあんなに毒のあるすばらしい歌を作っていたのにNHKのプロジェクトXの主題歌なんかを歌うようになってがっかり。まして松田聖子と化粧品のコマーシャルに出ているところなんか見たくないですねえ。旅行の話からそれてしまったけど。
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