番組への反響は大きく、多くの視聴者は日本の児童精神科医療の現状に恐怖を感じたようです。素人ながら私も、果たして子供にこんなにもたくさんの危険な薬を投与していいものかと率直に思いました。
喜怒哀楽の感情を自由奔放に出すのが子供の本質なのにちょっと騒がしいからとか授業に集中できない、クラスの秩序を乱すという理由で子供は児童相談所に連れていかれます。
臨床心理士からカウンセリングを受け、精神科に回され、そこで“軽い”薬を処方され、いったん薬物が投与されたら次から次へと追加投与される……。おおよそこんな事態が教師や学校、児童相談所、精神科医たち専門家によって繰り広げられているのが日本の現状のようです。
クローズアップ現代が取り上げていたのは子供への過剰投与に限定しての話でしたが、薬の過剰投与に限らず精神科に関しては昔からいろいろと疑問や批判が渦巻いています。「精神科は今日も、やりたい放題(内海聡著、三五館、2012)」という本は、センセーショナルなタイトルがかえって内容のすばらしさを貶めていますが、一読して向精神薬の薬漬けにされているのは大人も子供も同じだということを知りました。
6月17日付け読売新聞朝刊に掲載された抗不安・睡眠薬依存に関する記事も身近な薬に潜んでいる危険性に触れているだけに衝撃的でした。
医師から「安全です」と言われ気楽に処方される睡眠薬のほとんどはベンゾジアゼピン系の睡眠薬であり、日本は世界最大の消費国です(年間18億錠!)。若者による乱用の問題もあります(ハルシオン等)。
この系統の薬は依存症になりやすく、薬からの離脱は困難でありまた危険を伴うということです。父のために医師に処方してもらっている睡眠薬がこの系統の薬だったので今はなるべく薬に頼らず父が夜中に起きているときはいっしょにテレビを見たり、少し食べ物を腹にいれてあげたりして何とか睡眠薬から離れられるよう努めています。