高齢者の健康維持に欠かせないのが医師が処方するお薬です。昔(おおざっぱに昭和時代)は町の診療所でも病院でも、薬を渡される際にそれがどんな名前の薬であるかさえ告げられませんでした。
「朝、“白”を1錠、夕食後“ピンク”を2錠飲んでくださいね」
錠剤を保護しているアルミシートにも薬剤名が明記されておらず、患者はそれが何であるのか分からないまま医師、薬剤師、そして何よりも“赤”や“ピンク”の物体の効能を信じて(あるいは命をまかせて)服用したものです。
時代が変わって、現在調剤薬局での投薬は過剰なぐらい情報を提供しています。しかし情報をタダで提供しているのではありません。ちゃんと「薬学管理料」あるいは「薬剤服用歴管理指導料」として課金。報酬を得ている点においてそこにプロの自負と責任があるはずです。
ところが最近立て続けに、院内処方および町の調剤薬局で薬剤師のプロ意識の存在を疑わせる事例に遭遇しました。
事例1.高齢の父に処方されている血圧降下剤のサイズが大きく飲むのに苦労していたので、医師に相談の上、サイズの小さな別の薬に変更してもらいました。ところが手渡された薬の袋には以前の大きな薬もそのまま入っていました。血圧降下剤を超高齢者が倍量飲むとどうなるのでしょう?
事例2.長年、調剤薬局はここと決めている薬局で「ジェネリック薬品を試したけれどやはり先発メーカーのものがいい」と前回薬剤師に申し出ました。ところが今回何の説明もなくジェネリックに戻っていました。
事例3.同じ調剤薬局で。渡された袋の中に長期服用している高脂血症の薬がなかったので薬剤師に尋ねたら「処方箋になかったから」と答えていました。医師が書き忘れていたからですが、こんなときこそ服用歴の管理指導がなされてしかるべきでしょう。
院内投薬や調剤薬局のミスに対してはその都度「プロの仕事をしてくれ」とやんわりお願いするのですが、薬学管理に不備があっても、服用歴管理指導を患者である私が“指導”しても薬局はぜったい管理料や指導料を請求しますね。
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