2018年3月25日日曜日

悪戦苦闘ホテル予約

5月下旬にカナダからイトコたち4人が来日します。神戸とキールン(台湾)を往復するクルーズに参加するためですが、彼らは関空到着後そのまま神戸港に直行するのかと思っていたら、船に乗る前の1週間京都や岡山を観光したいそうです。
ついては“リーゾナブル”な価格のホテルを推薦してくれないかというメールに私はすっかりあせってしまいました。リーゾナブルがくせ者です。若者なら価格重視で探せばいいのですが、4人は熟年旅行者なのでそれなりのホテルを用意しなければなりません(と、一人悩む)。
京都と岡山のホテルは迷わず交通至便な駅前のホテルに決めました。そして大阪の2泊は大阪城が目の前に見えるホテルにしました。というのも、この老舗ホテルは今でも高級ではあるものの老朽化してきているせいか、しばしば各種予約サイトで大幅ディスカウントしているのです。実際、自分自身今まで何度かビジネスホテル並の料金で宿泊したこともある穴場的存在。それが……。
これまでも高級ホテルを格安料金で予約するのを得意としてきた私なのに今回は大失敗をしでかしました。海外の予約サイトを通じてかなり割高な価格で予約してしまったのです。しかも予約と同時に私のカードで支払いも完了、おまけに取り消し不可の条件で。同じ部屋が今でもほぼ半額で売られているのを見ると悔しい、情けない! この敗北の原因は?
たぶん「とにかく早く部屋を確保しなければ」というあせりがあって、不利な条件を冷静に判断する余裕を失っていたのでしょう。おまけに予約サイトの心理作戦にも引っかかってしまいました。予約画面を見ながら「どうしようかなあ」と思案していると「残りあと2部屋です」などというシグナルがチカチカして即決をうながすのです。人間も釣り堀の魚といっしょで餌を上下にピクピクされるとつい反射的にパクッと釣り針に食らいついてしまいます。

カナダのイトコたちは私の骨折りにとても感謝してくれていて、ホテル代も納得してくれましたが、私としては申し訳ない気持ちとへまをした挫折感でいっぱいです。いっそ大阪の2泊、2部屋は私がイトコたちにプレゼントしたほうが自分としては気持ちが収まるような気がします。「キャンセルできない予約はしてはならない」。痛い教訓です。

南海トラフ地震に対する備え

 年明け早々、政府の地震調査委員会が南海トラフ巨大地震について、30年以内の発生確率をこれまでの70%から7080%に引き上げると公表しました。気象庁も関東から九州まで広範囲に及ぶこの地震の震度と津浪被害予想をホームページに掲載しています。
 政府が巨大地震がまもなく高い確率で発生すると判断し、気象庁は沿岸各地のどこにどのくらいの高さの津波が来るかまで明確に図で示しているのにも関わらず、対象地域住民の地震に対する意識はとても低いのが現状のようです。
 実際のところ、自治体にしてもそこで暮らす住民にしても巨大地震も津波も来てみないことには本気で対処できないというのが正直なところではないでしょうか。気象庁の津波被害予想図を見ても範囲が広すぎて、太平洋に面して発展した巨大都市や市町村を津波から物理的に守ることは不可能です。
 こうなるとやはり我々が考えなければならないのは「自分の命は自分で守る」ことに尽きると思います。もし自治体が、自分が住んでいる町がどのように津波に襲われるのかシミュレーションしているのならそれを見て津波のイメージを掴んでおくことが一番ではないでしょうか。海辺に面した地域、川筋に面した地域、そして海抜が2メートルもない地域が特に危険です。しかし岡山県全域に限って私は非常に楽観的です。
 気象庁の予測では内海に面した岡山、香川、広島あたりは満潮位を引いた津波の高さを2メートル以内としています。一方、伊豆から九州までの海岸地帯では10から20メートルで、被害の規模が違います。また(幸運にも)内海の岡山では津波が大阪や愛媛に到達したことを知ってから逃げても間に合うはずです。
 地震に関しては、私はインスタント食品と水を少々用意するぐらいしか考えていません。神戸大震災の記憶では命さえあれば何とかなりました。気象庁の予想では岡山県南部はほぼ震度6弱です。最近建てられた住宅やマンションがこの震度で倒壊することはまずないでしょう。

 敗戦直後、1946年に発生した昭和南海地震では岡山県でも51人の方がなくなっていますが、父は「あの時は怖かった」とよく語っていました。その南海地震、確かに明日来てもおかしくない危険な状況です。

2018年3月4日日曜日

嗅覚障害

最近食べ物がちっともおいしく感じられなくなり味覚障害かなあと思っていたのですが、真相は嗅覚障害であることが分かりました。においが感じられないことになぜすぐ気付かなかったのか我ながら鈍感な人間だと落ち込みます。コーヒー、焼き肉、庭のスイセンやジンチョウゲまでもが何のにおいも発していないことに気づかなかったなんて!さっそく近所の耳鼻科に行きました。
診療所ではアリナミンテストなるものを受けました。びっくりです。嗅覚のテストなのでバラの甘い匂いとか靴下の強烈な悪臭でもかがされるのかと思っていたら「これから腕に薬を注射しますがニンニクのにおいがしたらすぐ言ってください」と看護師さんから言われました。
“腕に注射されたにおい成分を鼻で感じる?”訳が分かりません。訳が分からないまま看護師さんはあやしげな注射を腕にブスリ。そのまま10分ぐらい待たされるのかと思ったら大違いで、血流に乗ったにおい成分はわずか数秒で嗅覚神経に到達するそうです。しかししばらく待っていても私には顕著なニンニク臭が感じられません。すると看護師さんが「ニンニクのにおいしませんか?」と誘導尋問。そういわれてみると何となくニンニクくさいような気がして「においます」と答えました。すぐさま看護師が「臭いが消えたら言ってください」と続けます。
私はニンニク臭が継続しているともいないともはっきりしないまま、看護師さんの期待を裏切るのも悪いので「消えました」と答えました。このように簡単に他人に迎合してしまう性格では、事件の容疑者にでもされたら老獪な刑事の誘導尋問に何が何やら分からないまま「やったかもしれない」と自白してしまうこと必定です。

ともかく、私の嗅覚はかなり悪くなっているようでステロイド剤や点鼻薬などを薬局で受け取って家に帰りました。ネットで調べたら治らなくてあきらめた人、治った人などいろんな体験談がありました。私の場合、急激に悪くなったのは今年になってからですが、以前から兄や知り合いの人がたまに我が家にくると「この家くさい、たまらん、リセッシュ買ってこい」などと言っていたのを「ネコのにおいぐらいで何を大げさに騒いで……」と気にせずいたのは、私の鼻が半ば壊れていたせいかもしれません。