台風21号が直撃した関西国際空港は開港以来という甚大な被害を受け、3千人もの利用客が空港ロビーで身動き取れなくなりました。翌日になってやっと高速船とバスによる島外への脱出ルートが確保されました。空港ロビーで不安な一夜を過ごした方々には心より同情いたします。停電と空調ストップ、旅程を中断させられたあせりやいらだち、情報不足は大変なストレスをもたらしたと思います。閉所恐怖症の人でなくてもあの状況では頭が変になりそうです。
空港に閉じこめられてしまった3千人もの人々に対してネットでは同情の声はあるものの大半のコメントは「台風による欠航は予想されていたのになぜ空港に行ったのか?」と非難するものでした。今回の件に限らずネット社会は水に落ちた犬を棒でたたく人であふれていますが、だれもまさか空港のロビーで立ち往生する運命が待っていると分かって行動したわけではありません。
あの日(9月4日)空港は閉鎖されていなかったし、コンビニなど空港内の店舗、ホテル等は通常営業していました。国内線各社は早朝から欠航を決めていましたが国際線の運行状況はネットでも分かりづらいものです。とりわけ外国の航空会社に関しては電話で問い合わせようにもそもそも電話窓口が不明瞭、あっても日本語対応していなかったり、オペレーターも非常事態の際の運行状況なんて正確には把握していません。そんな場合は空港のカウンターまで行ってそこで案内を聞くなり、代替サービスの手配をお願いするのが一番確実です。「とりあえず空港まで行ってみる」は基本的には正しい行動だと思います。
しかしながら、この法則は陸上にあるふつうの空港について言えることであって、関空やセントレアのような海上空港については話は別です。人工島は台風の直撃を受けたり巨大地震や津波に襲われればたちまち逃げ場のない地獄と化すことは旅行者も常に意識しておくべきでしょう。
ちなみに同じ近畿圏にある神戸空港は今回の台風による建物や滑走路に対する被害もなく、台風が通過した4日の夜にはもう航空機の離発着を再開していました。関空は国内線専用の神戸空港に比べはるかに重要な空港であり、テロだけでなく自然災害にも抵抗力のある強い空港に早急に改良すべきと感じた次第です。
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