2019年8月8日木曜日

スマイル・シンデレラ

  ゴルフの全英女子オープンで岡山っ子の渋野日向子選手が優勝したニュースには日本中が大フィーバーです。ゴルフに縁のない私もインタビュー映像に見入ってしまいました。
 現地での優勝記者会見で、どんなお菓子が好きなのか尋ねられたとき、「なんじゃろ?」と岡山弁を連発したのには思わず吹いてしまいました。何と素直でかわいい子!いっぺんに大ファンになりました。ただ彼女につけられたニックネームが“スマイル・シンデレラ”というのはちょっと違う気がしました。
渋野さん自身、「トロフィーは王子様ではない」と言っていましたが、勇者をシンデレラに例えるのはセンスがよろしくない。単なるラッキーガールという軽い意味でシンデレラと呼ばれたのかもしれませんが、渋野さんは王子様に見初められたのではなく、むしろ彼女自身がいきなり、王子の座(というか女王の座)を獲得したというべきでしょう。
岡山県からはこれまでも、陸上の人見絹枝をはじめ、マラソンの有森裕子、フィギュアスケートの高橋大輔などオリンピックメダリストを輩出してきましたが、彼らにはアマチュアスポーツをまったく異次元の高みに引っ張り上げたという画期的な功績があります。渋野さんもそうしたスーパーアスリート列伝に連なる人だという気がします。
渋野さんの底抜けに明るくスマイルに満ちた会見からは、これまでの日本人スポーツ選手が試合中や勝利の会見でよく見せてきた情緒的な気負いや弱さがみじんもなく、日本にもようやく汗と涙、スポ根、シゴキ等と無縁の、本来そうであるべき健康なアスリートの時代が到来したことが感じられました。
ちなみにアムステルダムオリンピック(1928)で日本人女性初のメダリストになった人見絹枝の銅像が岡山県立岡山操山高校にあるというのを最近テレビドラマで知りびっくりしました。私も高校時代の3年間をそこで過ごしたのですが、そのような像があったのかどうかすらまったく記憶にありません。

高校卒業以来半世紀を超える歳月が流れてしまいました。セキュリティにうるさい今のご時世では外部の人がふらっと校内に入れるのかどうか分かりませんが、遅ればせながら一度は人見絹枝先輩の勇姿を拝みたいものです。



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