2019年12月8日日曜日

ゴッホの耳なし自画像のように

今日は天気もよく午前中、渋柿の大木に梯子をかけて曲芸のようなことをやりました。実が50個ほどついたずしりと重たい枝をノコギリで切っていたら、枝が私の頭の方向に倒れかかってきました。そのとき持っていたノコギリが柿の枝に押されて耳に食い込みました。鋭い痛みを覚えて手で触ると血は少し出ているものの耳がなくなるような大事にはならずにすみました。

ハイドロコロイド絆創膏を大きめに切って耳を保護したのですが、まるでゴッホの「包帯をしてパイプをくわえた自画像」です。

昔から柿の木から落ちて死ぬ人が多いので登ってはいけない、と父からよく言われていたのに、渋柿もアルコール度数47%の焼酎に浸して保温すると美味しい柿に変身するので、やっぱり毎秋、登ってしまいます。(台風接近時には、テレビがしつこく「田んぼを見に行くな、屋根に登るな」と忠告してくれるのにも関わらず、雨どい掃除に登ります)

こんなことを書きながら、太宰治の「人間失格」の主人公、葉蔵が少年時代、体操の授業で鉄棒の逆上がりをわざと失敗してクラスの笑いをとったところ、クラスメートの発達障害らしき竹一少年から「ワザ、ワザ」(わざと)と声をかけられ、道化の本性をよりによってあの竹一に見抜かれていたとは、と狼狽する大変有名な、ある意味、この小説のクライマックスのシーンに我が身を重ねてしまいます。

でも、ワザではないのです。まさか自分が切った柿の太枝がノコギリとともに私を襲撃してくるとは!

葉蔵が竹一にゴッホの絵を見せるシーンがあります。竹一はゴッホの自画像を見て「お化けの絵だ」と言います。私の横顔もそれに何ら変わらないので、耳だけトリミングしました。




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