2年ほど前、牛窓にあった創作陶器とコーヒーの店「青空」がオーナーの故郷、岩手県一関に引っ越してしまい牛窓が寂しくなったと思っていたら、そのあとに「てれやカフェ」という喫茶店が今年の春オープンしました。
岡山市西部の私の家から牛窓まで車で小一時間かかるのにもかかわらず暇を見つけては「てれやカフェ」に出かけています。その訳はそこのケーキがびっくりするぐらいおいしいからです。
ケーキを作っているのはマスターの奥さんのテレサさん。アメリカ生まれで本業は藍染め作家。洋梨のタルト、クランベリースコーン、キャラメルロールケーキ・・・と季節の移ろいにあわせて彼女が焼き上げるケーキはひとくちにおいしいというのではなく、味が深いのです。滋味というか、しみじみ心の隙間を埋めてくれる暖かさがあります。
子供時代から今まで、いろんなケーキを食べてきて、それはそれでおいしいと思っていましたが、テレサさんのケーキを食べてみて、ショックでした。このナチュラルで奥深い味はいったいどこからくるのだろう?という疑問がわいてきます。おそらく幼少のころからバターや砂糖、卵、それにハーブやスパイスの扱いに慣れ親しんだ家庭環境の中で自然に舌が覚えた味なのでしょう。
“奥深い味”などと言ってもそれを説明するのはとても難しいのでぜひ店で実物を味わっていただきたいと思います。最新作は“デプレッション・チョコケーキ”。大恐慌のときバターや卵が高騰したときにそういう素材を使わないで作られたレシピを再現したそうです。
今また、日本も不景気で気分は限りなくデプレッション(鬱状態)。そういうときこそ「大恐慌ケーキ」を食べて元気を出さなくちゃ。
いろいろな文化的催しを定期的に開いたり、しゃれた創作雑貨を販売しているのは「青空」時代と変わりありません。
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