この制度は昔からあることは知っていましたが、このたび県立図書館で初めて利用してみました。探していたのはもう何十年も前私が高校を卒業するころ公開されたオードリー・ヘップバーン主演の「いつも二人で」という映画の原作シナリオです。1967年にイギリスで出版されたシナリオはとうのむかしに絶版になっていて買うこともできません。
そこで全国の大学図書館の所蔵データが検索できるWEBCAT(総合目録データベース)を検索したら何と日本で唯一、大阪大学附属図書館にこの本があることが分かりました。もちろんこうした検索は近くの図書館に行くなり電話するなりして司書の方に「こういう本を探しているのですが」と依頼すれば快く探してくれるのですが今はインターネットでだれでも簡単に探すことができます。
さて、阪大にあることが分かったシナリオですがここで威力を発揮するのがILLサービスです。さっそく県立図書館に電話をかけてみました。「大学図書館が貸し出しに応じてくれるかどうかは確約できませんが…」という前置きがあったものの、一週間ほどで「到着しました」という電話をいただきました。よかった!
閲覧が図書館内に限定されたらちょっと困るなと思ったのですが、貸出しもOKということで今その本は私の手元にあります。図書館が機械化する以前は本の裏表紙の内側に貸出し記録用紙が貼ってあり誰が借りたか一目了然だったのですが、届いた本は一度も貸し出された記録がありません。阪大の書庫で半世紀近く寝ていたこの本の最初のそしてたぶん最後の読者が岡山に住んでいる退職市民であることにも感激です。
それにしても図書館のサービスはすごい。日本に一冊しかないような貴重な本を借りるのに契約書も誓約書も手数料も要求しないのですから。このありがたいサービスが成り立つのは図書館間の信頼、図書館と利用者の信頼関係があってのことはいうまでもありません。ILLは奇跡のサービスだと思います。
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