テレビ番組で特定の商品が取り上げられるとスーパーの棚から消えてなくなるのは毎度のことです。最近ではココナツオイルやエゴマ油がブームになり売り切れ続出です。
一昔前には紅花、コーン油などリノール酸を主成分とした油がもてはやされたことがあります。しかし今ではリノール酸の大量摂取は慢性炎症性疾患を悪化させ、アレルギーの危険因子であり各種のガンを誘発すると散々な評価です。
ところがその弊害を抑制するのがα-リノレン酸であり、それを大量に含んでいるのがエゴマ油とアマニ油であり、その効果は老化防止、アルツハイマー病予防、はては皮膚のしわたるみまで予防するというふれこみで一気に人気が高まったというわけです。
私がエゴマという植物に初めて出会ったのは大阪の鶴橋にあるコリアンマーケットの店先でした。シソの葉っぱのようなものが輪ゴムで10枚ほど束ねられゴマとしょうゆの調味液に漬けられたものがどの店にもありました。このエゴマのしょうゆ漬けでご飯を食べるとほかにおかずがなくてもいくらでも食が進みます。
しょうゆと香ばしいゴマの香りにエゴマのさわやかな食感がとてもよくマッチします。大阪から岡山に帰ってきてからは手に入りにくいエゴマのしょうゆ漬けを自分で作ることにし、庭にエゴマの種をまきました。生育が早く姿は大葉によく似ていますがはるかに大ぶりで葉が手のひらサイズになったら摘み取り、調味液につけ込みます。簡単です。
さて縄文時代から日本で栽培されていたエゴマですが現在国内の産地は島根県など一部地域に限定されています。ネット通販サイトでは国産のエゴマ油は180ccの小瓶で2000円前後と非常に高価。それでも売り切れ続出です。
このことは意外なところに影響をもたらしたようです。韓国の新聞、中央日報によるとエゴマ油に日本特需が起きて輸出が100倍にも増えたとか。この記事を読んで初めてスーパーに並んでいるエゴマ油の原料が中国や韓国から輸入されたものだと知りました。
いまごろ中国や韓国ではエゴマの作付けを増やしていると想像されますが、秋に種が取れオイルになるころにはエゴマ油フィーバーも鎮火しているのではないでしょうか。
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