2015年10月3日土曜日

老老介護


96歳の母は自宅で寝たきりながら安定した状態で過ごしています。しかし母を介護している私自身60代後半になり体力の低下が著しく、果たして母を最後まで看取ることができるのだろうか、と不安に思うことしばしばです。

そんなある日、岡山で飲み会がありました。大して飲んでもないのに久しぶりのアルコールがこたえました。駅から母の待つ実家へ帰るのにタクシーを拾おうと思ったのですが、ほかの人にとられてしまって約2キロの道のりを歩きました。日ごろの運動不足の解消にもなるし、ときどきは歩いて帰る距離です。

ところが翌日からどうも体調が悪いのです。単にちょっと歩いたことによる筋肉痛というよりもっと何か底知れぬ恐怖のような不安がよぎりました。その次の日は夜中に寒気がしてまだ9月中旬というのに冬用の掛けぶとんを引っぱり出して寝ました。

熱を計ってみたら38度あり頭痛もするので風邪をひいてしまったのかもしれません。しかしわずかばかりのワインを飲んで30分歩いて、筋肉痛になったことと風邪の症状がまったく結びつきません。やはり内臓か循環器に重大な異変が起きているのではないか……と不安はつのる一方です。

ああ、これが老いなのか、今までは体調が悪くなるときはあっても2、3日おとなしくしていればたちまち元通りの元気を取り戻していたのに。それが先行き不明の不安感にとらわれているのです。

ときおり年取った姉妹とか親子が死後何日か過ぎて発見されたというニュースを耳にします。今の我が母と私の置かれている状況のまさに延長線上にある話です。

まだ余力があるうちに手を打って老老介護の悲劇を回避しなければなりません。近所の病院に電話して母をしばらく預かって欲しいと伝えました。そして私自身もこれから病院に出向くところです。とりあえず2週間は介護を忘れ、自分の健康を取り戻すことに専念したいと思います。

思い返してみると両親が今の私の年齢から90代半ばに至った歳月はあっという間でした。私の老後もそんな調子であっという間に過ぎていくでしょう。いや、両親ほど体力のない私が90過ぎまで生きるのは望み薄です。まして健康な状態で。

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