清水寺を参拝したあと、観光客でごった返す三年坂、二年坂を下りました。祇園か四条河原町まで歩いてそこでお昼ご飯にしようとみんなの了解を取っていたのですが、いとこ達は「孫におみやげを買うから」などと言ってはチマチマした雑貨であふれるおみやげ屋に吸い込まれていきます。早くもヒザが痛み始めた私は腹も減ってきたので「もうこの辺りで昼ご飯を食べてしまおう」と提案し早めの昼食になりました。
カナダからの4人のなかでひとりは海鮮素材がダメ、もうひとりは玉子がダメでこうなるとなかなか店選びに気をつかいます。さいわい三年坂に湯豆腐屋があり座敷に上がりました。驚いたことにいとこたちは正座ができました。逆に私はヒザ関節が痛むので体を斜めに投げ出す始末です。でも場所柄この辺りの店は観光客相手で商売しているだけあって、お客がどんな格好で座ろうが無視してくれます。
ゆっくり湯豆腐を食べたあとも相変わらずおみやげ屋に寄りながら坂を下っていたら、いとこのブルースが「トイレはどこ? かなり急いでいるんだけど……」と言い出しました。こんなときこそ観光ガイドの腕の見せどころです。すぐに小ぎれいなトイレを見つけてあげたら大変感謝されました。それにしてもなぜ急にトイレなのか、夜になって大腸の難病で苦労している友人に電話をかけて、その話をしたら「豆腐はやばいよ」と教えてくれました。人によっては豆腐は便秘解消にもってこいの食材だとか。
それにしても外国人が日本に来て異口同音に感嘆するのがトイレです。駅の公衆トイレもほぼ100%温水洗浄装置がついているし、ペーパーも完備しています。日本のトイレがこんなにきれいになったのはそう遠い昔ではなく、これは日本人が目標をもってがんばったいい例ではないでしょうか。今でも外国の街に滞在するときはホテルで用を足しておかないとあとで悲惨な目にあいます。
ただ、コーヒーブレークで立ち寄った喫茶店だけは例外で和式水洗トイレでした。4人のなかでただ一人白人のD.J.が「トイレの写真を撮った」と言って見せてくれましたが、これはヒザの悪い私には悪魔のトイレ。緊急事態で腰を落としたら最後、2度と立ち上がれません。(続く)
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