新型コロナの感染者数は減少しつつあるとはいえ数字的には相当なものです。岡山県においては8月のピーク時には1日の新規感染者数が4千人に達し、その後は減り続け最近は千人程度で推移しています。県内感染者累計を見ると27万人、死亡は4百人余りとなっています。
岡山県の総人口が190.6万人(2018年2月)であることを考慮すると実に7人に一人の県民が感染経験をしている勘定になります。しかしこの頻度に実感が伴わないのはなぜでしょう。みんなコロナに罹っても知らん顔して隣近所のうわさにならないように気を付けているのでしょう(賢明な判断です!)。
ところがごく最近、たまに幼なじみに会ったりする機会に「実は先月コロナに罹った」などという話をちょいちょい聞くことがあり、コロナの存在が現実味を帯びてきたような気がします。もっとも身の回りの例では、症状は軽く、ほとんどは無症状、症状があってもせいぜい2、3日熱が出たけど解熱剤を飲んで寝ていたら治ったという感じです。
流行初期のしばしば重篤な肺炎を引き起こし、エクモを装着され、死の淵を彷徨う恐ろしげな病気とはまるで別物になっているようです。
ところが……。先日、秋分の日に沖縄の友人が上京した際、はるばる岡山の私を訪ねてくれました。久しぶりの再会で喫茶店で話をしただけでは足りず、帰りの飛行機が出る神戸空港まで私の車で送ることにしました。友人は耳に障害があり大声でないと会話が成り立ちませんが、車の中ならいくら大声でもOK、神戸に着くまであれこれ話が弾みました。
そして週明けに思いもよらぬメールが来ました。「夜中に微熱があり、昼間はせき、くしゃみが出る」と。ちょっとあわてました。何しろ私は一度もワクチンを打っていないし、助手席の友人とは3時間も大声でしゃべっていたのですから。
友人も私もコロナに効果があると期待される寄生虫駆虫薬のイベルメクチンの効能を信じていて、すぐに飲みました。そのせいかどうか、あるいは友人の発熱は単なる風邪だったのか、症状はまもなく収まり、私も体調に変化なく過ごしていますが、忍び寄るコロナの影に一瞬たじろいだのは確かです。なお製薬会社と大学のイベルメクチンの治験結果は「有意な効果は認められず」でした。