岡山市旭川の鉄橋を新幹線や在来線電車で渡るとき、河川敷に豊かに育った柳の緑が目に入りいつもうっとりします。10年ほど前になりますが、その河川敷に中学時代の恩師と同窓生数人とで大木にからみついたツルウメモドキを取りに行きました。ツルウメモドキは正月の生け花に使う素材になり弾けた実が美しいツルものですが、先生によるとそんなもの買わなくとも河川敷になんぼでもあるけえ~ということで集合。
柳にからみついたツルウメモドキの枝を切り取るものとばかり思っていたのに先生のやり方は大胆! 4,5メートルの高さの柳の木そのものをノコギリで根元から切り倒すのです。河川敷の木をかってに切り倒したりするのはまずいし、採りたいのは木に絡んだツルウメモドキだけなのに。。。第三者の目もあるし、もうヒヤヒヤだったのですが、先生は平然と「こんな木は切り倒しておかにゃあおえん」とのことであっという間に4,5本の柳を伐採。
「先生、とんでもないことして……」と当時は思ったものでしたが、今回の小田川氾濫の惨状を見て先生の心がようやく理解できました。河川敷に土砂がたまりそこに樹木が茂ってしまうといざというとき川の流れが阻害され氾濫の一因になるそうです。旭川に繁茂する大量の柳にひとり立ち向かう高野先生の姿はまさに「蟷螂の斧」といった風情。小田川大洪水の悲惨な現状を見て遅ればせながら恩師の知恵の奥深さにちょっと触れることができた思いがしました。
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