秋口にはマムシが子どもを産む時期なので動くものには何にでも噛みつくので特別用心せよ、と父がよく話してくれました。
今日の午後、屋根の上で干していた桑の葉が風で飛んで庭に散乱し、回収していたときのことです。側溝に土が溜まりいつも湿っているので草が生い茂り、蛙もそこで大繁殖しています。その草の上にも桑の葉が何枚か落ちていたので拾おうとしてびっくりドンキー! なんと中ぐらいのサイズのマムシがいるではありませんか。背中の銭型模様と三角形の頭がマムシの証拠。それにふつうのヘビは人を見ると逃げますがマムシは逃げません。しかし草が繁っているので見失いました。動物の殺生がきらいな私は放置すべきか駆除するか迷いました。こんな自転車置き場の横にマムシがいるとなると夜自転車で帰って来て踏みつけがぶりとやられたらもうお仕舞いです。119番できれば助かるかも知れませんが後遺症が残るでしょう。
とにかく目の前の事態に決着を着けなければなりません。そこで水道のホースから水を勢いよく出してマムシを隣家に放逐しようとしたら大胆不敵にも溝から出てきてコンクリートの上でとぐろを巻いてこちらを睨んでいます。ホースの水圧でマムシを溝に追い込み、一旦その場を離れて金属製の三角ホーを片手に溝の草を剥ぎ取っていたらくだんのマムシがまた出てきました。生け捕りにして山奥に捨てられればいいのですが、コンクリートの擁壁に押し付けたもののなすすべもありません。
夏目漱石の夢十夜に出てきそうな緊迫の膠着状態がしばらく続いたのですが、右腕にひときわ力を込めてコンクリート壁にグリグリ押し付けました。私はまだ動いているマムシを三角ホーの先に引っ掛け、20メートルほど離れた草むらに投げ込みました。あとは自然にお任せです。しばらくは棒キレを見てもビクッとすることでしょう。
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