今年も日本人がノーベル医学生理学賞を受賞したといううれしいニュースが届きました。がん治療薬「オプジーボ」の開発につながった京都大学の本庶佑先生の研究が評価されたということです。
ニュース第1報を伝えるテレビ各局のキャスターは皆さん北朝鮮のあのニュースおばさんばりのもったいぶったような、誇らしげな顔つきです。本庶先生の功績がいかにがん患者にとって光明になっているかについて記者会見での発言やインタビューを通して詳しく報じていました。日本の教育・研究水準が、将来はともかく、今日まで一流レベルを保ってきたことがだれにもよく分かる受賞で喜ばしいことです。
ただ一連の報道を見て気になることがいくつかありました。まず第1には受信料で運営されているはずのNHKなのに、小野薬品が開発・販売している医薬品「オプジーボ」について商品名を連呼しつつ、販売価格の変遷についてまで紹介していたことです。コマーシャルはおろかメーカー名が特定できるような映像は昔は皆無だったNHKがいつのまにコマーシャルを解禁したのでしょう?
早々「NHKふれあいセンター」に電話して尋ねてみました。回答は「すばらしいニュースだったので詳しくお伝えした」などという訳の分からない返事。同じNHKの「きょうの健康」など患者が具体的に医薬品名を切実に知りたいなと思う番組では薬品名(商品名)を言わず一般名や化学名でしか伝えていないことと大きく矛盾します。とにかく昨夜のNHKニュースはまるで小野薬品のコマーシャル特番かと疑うほど異様なものでした。
次に気になったのは、受賞の第1報が届いた京都大学の先生の研究室の光景です。先生は「若い人々といっしょに研究できて幸せ」というようなお話をされていましたが、問題はその「若い人々」のお顔。大半の男女研究員・学生院生は外国からの留学生のように見受けられました。日本の若者にとって魅力がない大学院をこのまま放置していては、やがてはノーベル賞も日本を素通りするようになるでしょう。
ちなみに、最新の世界大学ランキングによると日本はトップの東大ですら世界86カ国、1250校中で42位、京大は65位。トップテンは米英が独占しています。1校でいいから日本もそこに食い込んでほしいものです。
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