昔、平尾昌晃作曲の「カナダからの手紙」という歌がありました。歌詞の内容はほとんど記憶にありませんが、畑中葉子とのデュエットでセンチメンタルながら楽しい歌でした。日本人がカナダに対して抱くイメージは隣国アメリカのイメージと少し違い、この歌のように何となくロマンチックな要素もあるようです。
実際、米国は軍事力、国際政治力、映画IT産業、ポップカルチャーのいずれの分野でも世界に君臨し続け、陰に陽に世界に貢献し、また同時に圧迫もしています。弱肉強食、銃器による自己防衛は彼らにとって何の違和感もないようです。反対にカナダは形式的には立憲君主制で元首はエリザベス女王。その名代として総督がカナダ首相の上に君臨していることは日本では案外知られていないのではないでしょうか。英連邦の国だけあって社会制度や文化にはヨーロッパの理性と香りが感じられます。
さてそんなカナダですが、今年春に来日し、いっしょに楽しく京都や奈良観光をしたカナダ生まれの従姉妹たちからのメールが秋口からパタッと途絶え、何度かメールを送ってもなしのつぶてです。悪い想像をしてしまいます。“従姉妹達もみんな70代80代ともなればだれが突然がんになっていてもおかしくない、事実すでにふたりは故人となっているし、あるいは総勢30人は下らない子どもや孫の家族に何か心配事でもあるのではないか?”などと不安がつのります。遠回しに探りを入れようにもそんなツテはないし、電話はなぜかいつも留守電です。7月の倉敷豪雨の際はしつこいぐらい私の安否を尋ねてきた彼らがもし無事なら私のメールを無視するはずがない……。
やっと連絡がついた従姉妹はメールの冒頭で「I’m sorry, 連絡を取らなかったことについてどんな申し開きもできないわ」と言いつつも、神戸台湾クルーズに続いて夏は香港、9月はみんなでハワイへクルーズ、来週はカリフォルニアのパームスプリングスでゴルフ三昧、おまけにマンション管理組合の理事職、ボランティアなど毎日忙しいのよ! と達者ぶりをアピールしていました。
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