中国国営メディアの報道によると、中国は全人代(国会)において、飲食店での大量の食べ残しや大食い動画の配信に対し罰則を設けて規制することを可決したそうです。このニュースに対して、日ごろ中国政府のすることなすことに手厳しい日本のネット民も諸手を挙げて賛同の意を表明しています。日本のテレビも大食い番組などやめてほしいものです。
思い返せば、2005年ごろだったか友人と誘い合わせて初めて中国に行きました。古都の蘇州では有名な松鼠桂魚(しょうそうけいぎょ)をぜひ食べてみようということになり、ランチタイムもそろそろ終わりというころにある老舗レストランに入りました。
我々は二人ともそんなに大食ではなくメインの魚料理だけでいいと思ったのですが、単品というのも寂しいのでスープも注文しました。もうほとんどお客が帰ってしまったレストランで日本人が二人取り残されたように食事をするのですから10数人もいる従業員の視線が気になります。
しばらくしたらスープとリスのかっこうをした魚が登場してきました。魚料理は食べるところが案外少なく味もまあまあでしたが、問題はスープの方です。日本で酢豚ランチなんか注文したときについてくる小さなお碗ではなく、ラーメンどんぶりよりさらに大きな食器になみなみとスープが入っています。いくらがんばって熱々のスープを飲んでも水位はもとのまま。従業員たちは手持ちぶさたに「早く食べて帰ってくれないかな」と思っているような気がしてあせってもスープは減りません。
「どうしよう、これほとんど残すしかないなあ」と私が友人に言ったら、中国通の友人は「大丈夫、残したスープは厨房の大鍋に戻すだけだから」とのたまいます。友人の発言が事実だったとしたら、同じころ大阪の船場吉兆がやっていた食べ残し食品使い回し事件と同じですね。
何はともあれ、完食を美徳とする日本の食習慣はほんとうにすばらしい。しかし実相は寿司屋でも料亭でもステーキハウスでも「とてもおいしかったけどちょっと物足りないな」というぐらいの量しかもともと出てこないのですから完食できて当たり前。長い人生の大半は外食でしたが、給食を含め食べ残したことなど全然記憶にありません。これは幸せ? 不幸せ?
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