5月に起きた東海道新幹線ひかり号東京発新大阪行きの列車が熱海-三島間を走行中、運転士(36)が腹痛のため約3分間運転席を離れ、客車のトイレに行って用をたしたというニュースには笑えないものがありました。JR東海は社内規定違反として運転士と代わりに運転室に入った車掌を処分するとのことですが、穏便に済ませてほしいと思います。
たしか国鉄時代の新幹線は常時2名の運転士が乗務していた記憶があります。当時の国鉄OBの思い出話を読むと、運転士は二人いるので、交代で食堂車でゆっくり食事を楽しんだとか。運転士には国鉄から食事代の半額補助があり、ビュッフェ東京のビーフシチュー、帝国ホテルのハンバーグ、日本食堂のシュウマイが運転士の間で人気があったそうです。そしてもうひとつの楽しみは四季折々の沿線の風景や各地で催される花火大会を運転席という特等席から見ることだったと記しています。
ところが民営化にともなって運転士は1人体制になりました。1人と2人では全然違います。食事はおろか小用だって乗車勤務中は無理です。話相手もいなく、時速300キロメートルでめまぐるしく飛び去る風景を横目に見るだけの味気ない勤務ではないでしょうか。
国土交通省によれば今回の事態のような場合は、指令の指示を仰ぎ、運転資格がある車掌が乗務していない場合は列車を停める、ということのようです。確かに原則は守るために存在しているのですが、果たして急にがまんならない便意に襲われるなかでそんな手順など踏んでいられるかと思います。3分から5分後、すぐ後を次の列車が迫って来るなかで臨時停車などしようものなら、ダイヤは乱れ大事になります。
ハイテク新幹線、世界に誇る死亡事故ゼロの新幹線の走行はコンピュータで制御されているので本当は無人運転だって可能なはず。指令がモニター室の映像を見ながら自動運転するのと運転士が先頭車両の運転席に座っているのとどれだけの違いがあるのかと思います。
どうしても運転士を置かないといけないのなら、運転席がボタン操作一つで洗浄機能付き自動トイレに早変わりする装置を導入したいもの。あれもダメ、これもダメなら規定通り列車を停めて心おきなく用を足してもらいたいものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿