2010年10月29日金曜日

占いタコ


 物事の吉凶や勝負事の行く末を動物に占わせるのは東洋の専売特許かと思っていたのですが、今回のワールドカップではタコのパウル君というのがドイツの勝利を次々に言い当て話題になりました。

 しかし、準決勝の対スペイン戦を前に彼はスペイン国旗が付いた箱に入ってしまい何やらドイツの行く末に一抹の不安を投げかけました。果たして結果はパウル君の予想どおりスペインの勝利に終わりました。

 タコは海の霊長類と言われるほど賢い動物です。強そうな魚の姿に変装したり体の色を周りの岩や砂そっくりに変えて獲物に襲いかかる狩りの名手。

 しかしいくら賢いタコでもワールドカップの勝ち負けまで予言することはできないでしょう。タコもそんなに暇じゃない。今までドイツの勝利を完璧に言い当ててきたのは超能力によるものではなく、タコはアクリルの餌箱に取り付けたドイツ国旗の色や模様を覚えていたからではないかと私は想像しています。

 タコが色彩や模様を認識する能力が著しく高いのは海中での行動記録によって実証済み。きっと水族館の人が賢いタコを事前に特訓したのでは?餌を常にドイツ国旗の模様が付いた方に入れておいて。

 それが今回うまくいかなかったのはスペインの国旗とドイツ国旗はともに赤と黄色のストライプがあってまぎらわしかったせいではないか。でも結果的にはパウル君はスペインの勝利を予測したのだからやはりすごいタコです。

 先日テレビで人類が滅亡したあと地球上の生物はどうなるのかという番組をやっていました。都市はすぐに崩壊し始め、高層建築やエッフェル塔も崩れ落ちます。人間が作ってきた文明はまさに跡形もなく消えていくという恐ろしい未来図。しかし人間の消滅とともに豊かな自然がたちまち復活してくるというのはある種の救いでした。

 そんな未来、しかも1億年ぐらい先の未来世界に君臨する動物界の王者は、おそらく陸に進出したタコではないでしょうか、占いタコのパウル君を見ていたらちょっとそんな気がしました。

 さてW杯の優勝はスペイン、オランダのどちらに?居酒屋のタコ料理がしみじみおいしいスペインの方が有利かなと思います。

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