2020年1月22日水曜日

ホールドアップ!

今年は自動車運転免許証の更新年に当たり初めて教習所で高齢者講習なるものを受講することになっています。免許を取ってはや50年、いろんなことがありました。
40代のころはよくアメリカに出かけて長距離ドライブを楽しみました。なかでもアメリカ、カナダ国境をまたぐナイアガラの滝へのドライブは思い出すのも冷や汗ものです。滝近くのニューヨーク州バッファローで車を借りていざ出発。当時の職場の後輩君との気楽な2人旅。ほどなくナイアガラの滝に到着です。皆様ご存じのようにナイアガラの滝にはアメリカ滝と国境線をまたいでカナダ滝とがあり、見るべきは圧倒的にスケールが大きいカナダ滝です。
 国境の検問所は20レーンぐらいのゲートがあり、ほとんどの車は止まることなくそのまま走り去っていきます。後輩君に「入国手続きはとくにないみたいだね」と言いながら我々はそのままナイアガラの滝を目指しました。でも何か変!バックミラーにパトカーらしき車がチラチラ。そのうちどこかへ行くだろうと思ってもつかず離れず。やばい!
 ついに滝の真横にある駐車場に到着しました。するとパトカーから屈強そうな警官が2人我々の車に近づいてきます。何とピストルを構えているではありませんか!運転席に座ったまま窓を開けると、大男の警官が英語で何やら言っています。
 これがアメリカの犯罪シーンでよく見るホールドアップか!などと人ごとのように感じつつ両手を挙げると、「なぜ国境検問所で止まらず強行突破したのか、パスポートを出せ」と命令してきます。「えっ?他の車は止まらずすいすい走り去っていたので私もそれに従いました」、「あれはカナダ国籍の車で、お前達は違うじゃないか」、「そうなんですか、知りませんでした、すみません」、「よし先導してやるから検問所まで付いてこい」となり、パトカーに守られ国境の出入国管理事務所へ舞い戻り無事入国手続きをしました。
 悪意があってのことではないことを説明できたからよかったものの、下手をしたら牢屋にぶち込まれ日本国の領事館のお世話になるところでした。島国の日本では体験できない出来事でしたが、我ながら無鉄砲なことをしたものだと今でも思います。

2020年1月15日水曜日

オーストラリアの森林火災に思う

オーストラリア南東部はメルボルン、シドニー、ブリスベン、ゴールドコースト等、政治、経済、観光業の中枢地域を抱える豊かで風光明媚な土地柄です。平坦なオーストラリアにあってこの地域は海岸西側に山脈があり適度な雨が降るのか広大な森林が広がっています。
そんなオーストラリア南東部を中心に昨年来大規模森林火災が発生、壊滅的被害を受けている映像を見るにつけ心が痛みます。同国の歴史を見ても経験したことのない猛暑と乾燥した気候により、いったん発生した火災は半年たっても鎮火することなく広がり続けていて、その煙は遠く南米にまで達しているといいます。森林火災は人間だけでなく幾億もの野生動物の命と住処を容赦なく奪い植物にとっても大変な試練です。
そんなオーストラリアに30代のころ一度だけ出かけたことがあります。初めて見るオーストラリアの動植物はそれまでアジアや欧米で見たものと全然違っていました。植物界では乾燥に強いユーカリの仲間が1人勝ちで繁栄し、動物界では有袋類ただ1種類があらゆる形態に進化しオーストラリア全土で独特の生活をしていることに驚嘆しました。肉食のタスマニアデビル、モグラのように地下に穴を掘って暮らすウォンバット、生きたぬいぐるみコアラ、トラの模様を身につけたタスマニアタイガー(絶滅)等々珍獣の宝庫。
このように元々ひとつの種がいろんな形態に進化する現象を生物学では“適応放散”と呼ぶらしいのですが、オーストラリアでは動植物の長い進化の様子がはっきり見えることに大変驚いたものです。ほかの大陸から孤立し悠久の時間の中を高温乾燥に耐え、命を繋いで進化してきた動物や植物は幾たびか繰り返された森林火災に負けない戦略がきっと遺伝子に組み込まれているはずです。
オーストラリア同様よく山火事が起きる米国カリフォルニア州にはチャミーズというバラ科の常緑低木があるそうです。この木はグリースウッドとも呼ばれ、乾燥すると油をまき散らしながら激しく燃え、周囲の火に弱い植物を一掃、そして火災が収まると急速に芽を吹くといいます。何と賢く恐ろしい植物!(ナショナルジオグラフィック誌記事参照)。
オーストラリアの大規模山火事(bushfire)もやがては収まり新たな命であふれることを祈るばかりです。

2020年1月7日火曜日

ミッドナイト・エクスプレス

今年は東京で史上2度目のオリンピックが開催され、期待感あふれる正月になるのかと思ったら、アメリカによるイランの司令官殺害事件、IRリゾートがらみの複数国会議員に対する贈収賄事案が発覚するなど波乱の年明けになりました。
なかでも驚きだったのは元日産自動車会長カルロス・ゴーン被告の国外逃亡事件です。4通ものパスポートを所有しており、音響機器を収納する箱の中に潜んで関西国際空港の税関をすり抜け、プライベートジェットで一路イスタンブール経由、住まいがあるベイルートに逃げ去った、と報道されています。
夢にまで見たであろう故国に到着早々ゴーン被告は、日本では容疑者の人権を無視した不法な取り調べを受けた、と声明を出していますが、本当のところ逃亡劇の全体像はどんなものだったのでしょう?
若いころ見たアメリカ映画「ミッドナイト・エクスプレス」(アラン・パーカー、1978)ではトルコを旅していたアメリカ人青年が軽い気持ちでハシシを持ち出そうとして空港で逮捕され、3年間地獄のような獄中生活を体験、あと少しで釈放されると思ったら、アメリカとトルコの関係が悪化し、見せしめのために今度は30年の刑を言い渡されます。アメリカ政府の力も及ばず、絶望のどん底に突き落とされた青年はついに「ミッドナイト・エクスプレス」に乗ること、つまり脱獄を決意します。凄絶な脱獄シーンに大学生だった私は震え上がりました。
映画の中のアメリカ人青年はゴーン被告と違って金も有力者への伝もなく、まったくの偶然で監獄から脱出できるのですが、原作は実体験に基づいた話だそうです。現代においても中近東やアジア諸国では薬物がらみ、政治がらみで明確な証拠もなく逮捕され死刑や終身刑を受けることはよくあります。ゴーン被告にとっては日本もそうした人権無視の国々のひとつでしかなかったのかもしれません。だからこそ裁判など待っていないでミッドナイト・ジェットに乗ることを決意したのでしょう。

ことの善し悪しは別にして、音響機材を入れる箱の中に隠れて日本から脱出するなんて、私なら心臓が破裂してしまいそうでとてもそんなことはできません。やはり2万人もの首を切ったゴーンは日本人の想像をはるかに超えたトンデモ野郎です。

2020年1月5日日曜日

吉備津彦神社初詣

正月も5日になってやっと初詣のお参りをしました。備前一宮にある吉備津彦神社です、昔よく母を連れてきたものです。紛らわしい話ですが、すぐ近くに鳴竃神事で有名な国宝・吉備津神社があります。同じ吉備の中山のふもとにあり、祭神はともに大吉備津彦命。第7代孝霊天皇の皇子ということです。だいたい紀元前250年ごろの人物で人呼んで桃太郎。2つの桃太郎神社がすぐ近くにあるのには歴史的背景があるようですが、吉備津「彦」神社は備前に属し、国宝の吉備津神社は備中に。中山の山裾の国境の川には両国橋という石橋が架かっています。川と言っても幅1メートルほどのマンガみたいな小さな川と橋です。

前置きはこの辺でやめて本題です。境内に立てられた厄年などの看板と対になった看板に恐るべきご神託(?)が掲げられていました。皆さん、昭和23年生まれは男女とも「八方塞がり」だそうですよ!

もちろんそこは神様も商売、たっぷり初穂料を奉納し、本殿神殿の前でご神職からありがたいお祓いの秘儀を賜れば八方塞がりの運勢を吉に転じることも不可能ではありません。

私はいつもどおり少額賽銭を投入しつつ、皆様の分も含め、八方塞がり、暗雲垂れ込める迷いの道にどうか一条の光明が訪れんことをしっかりお願いしてきました。(厚釜し過ぎ?)

吉備津彦神社には素敵な池があります。いままで何十回も来ているのに池に浮かぶ松島には入ったことがありません。きょうは思いがけずいいものを発見しました。クチナシの実です。タクアン漬けを黄色く発色させるための必須アイテム。ありがたく神様の苑からお裾分けいただきました(お賽銭でご勘弁を)!

おみくじは「吉」でした。





2020年1月4日土曜日

沢庵大根収穫

例年真冬の今の時期タクアンの漬け込みと味噌の仕込みをするのが恒例となっています。昨年9月、大根の種まきを適期より2週間遅れて蒔いたら収穫がひと月遅れに。
これから2,3週間天日干ししてそれから糠漬けにし、4月ごろ奈良漬けの粕床に漬け替えると後は何年経っても食べられます。
でもタクアンは塩分がかなりあって腎臓に悪く、スーパーで売ってる減塩甘口タクアンの方がおいしい(^^;のも偽らざる告白。粕漬けタクアンはもっぱら女友達への手土産です。

2020年1月3日金曜日

人手不足

三が日、することもないので倉式珈琲に来たら席はかなり空きがあるのに多くのお客が待たされていました。カウンター席にはひとりも座っていないので、「ひとりですけど」と言っても案内してくれません。

従業員が全然足りなくて、席はあっても客を座らせることができないのです。やっと座れて注文取りにきたウェイターに「人手不足ですか?」と尋ねたら、学生バイト(川崎学園か?)が正月休みで帰省していないんです、とのことでした。

最低賃金ではバイトする気にもならないのでしょう。カフェ経営も資金的にギリギリで高い賃金は払えないのでしょう。
来年は久し振りに倉式珈琲の親会社であるサンマルクホールディングスの株主総会に出席してその辺りのことを質問してみようと思います。