2021年10月20日水曜日

衆議院選挙2021雑感

 東京オリンピック・パラリンピックが終わるや否や政局が大きく動き、10月下旬、わずか10日余りの衆院選が始まりました。すでに期日前投票が開始されているというのにまだ手元に投票所入場券が届いていないという前代未聞のあわただしい選挙です。31日の投開票というのは想定よりさらに1週間前倒しの選挙であり、事務を担当する市役所職員はてんてこ舞いだと思います。

しかし市役所職員の皆様よりさらに忙しい思いをしているのは他ならぬ立候補した先生方でしょう。なかでも県内選挙区割りの面積が異様に広い3区や5区を10日ちょっとで回り切ることは素人目にもほとんど不可能に思えます。

とりわけ瀬戸内海に浮かぶ島から鳥取県との県境に面する山間地まで包含する3区の中心的都市と言えば津山市ということになるのでしょうが、この広大な地域が地政学的にひとまとまりである要素はまったく見あたりません。候補者はいたずらに連日何百キロもの田舎道を走行してひたすら「お願いします」と連呼するだけで、地域の問題や国政に関する問題を有権者と意見交換することなど到底無理だと思います。

これは何も本県だけの問題ではなく衆議院選挙そのものがかかえている問題です。かつての広すぎる選挙区問題を解決するために導入した小選挙区制ですが、地方の選挙区は全然コンパクトになっていないうえ、都会の住民の選挙権の軽さに対する不満も増大する一方です。

それに加えてさらに複雑な仕組みの比例代表制が問題をややこしくしていて、結果的には見たことも聞いたこともない候補者が次々と当選していきます。1994年に改正された公職選挙法ですが、もうそろそろ足で歩く選挙区割り制度からデジタル時代にふさわしい、地域の人口に比例した議員が誕生する選挙システムを作っていくことを検討すべき時期にきているのではないでしょうか。

国内外の情勢が風雲急を告げるなか、コロナ、風水害、地震、火山噴火等々災害が連発する日本、そんな日本で政治に意欲を燃やす候補者の皆様には心から敬意を表したいと思います。有権者としては最低限投票という行動で候補者の意欲に応えるのが礼儀であり務めだと思います。

0 件のコメント: