最近やたらと凶悪な犯罪が全国あちこちで発生しています。とりわけ戦慄を覚えたのは東京・狛江市に住む90歳の女性が殺害された事件。大規模な組織犯罪の一端ということですが、このグループは関東だけでなく広島や山口など西日本でも犯行を繰り返しているとのことです。
同様の事件は全国で少なくとも30件以上起きているとの報道があり、いずれもその手口の荒っぽさ、冷酷さが特徴的です。実行犯たちは「闇バイト」を通じて犯行グループに加わっているようです。
これまで日本で発生した凶悪事件には個人的な怨恨によるもの、例えば津山三十人殺し(1938)、反社会勢力グループ間の抗争、オウム真理教による組織犯罪(1980年代末期から1990年代中期)、あるいは永山則夫連続射殺事件(1968-1969)のように動機がよく分からない不条理な事件(本人は「貧困が無知を招き、それが犯罪に結びつく」と主張)など様々な背景がありました。
しかし今回の一連の事件においては集団組織による金目当ての冷酷無比な犯行であり、無差別強盗殺人であることで際だっています。いわばプロによる強盗殺人で、ターゲットにされたお年寄りなど弱者が身を守ることはきわめて困難です。
狛江市の事件で逮捕された実行犯容疑者は取材陣のカメラに対し、レンズをまっすぐ見すえ挑発的な笑みを浮かべる始末。いったん逮捕されたら当然のことながら厳罰が下されるのは明白で人生を棒に振ることは最初から分かっているはずですが、容疑者の若者には刑罰に対する恐れや、そもそも「人を殺す」ということに対する罪の意識は最初から欠如していたのでしょうか。
凶悪な面構えと言えば「博多ストーカー事件」の容疑者の写真にもぞっとしました。被害者の女性は頭、胸、腹など十数カ所刺され、死因は失血死、には言葉がありません。あの顔で襲われた被害者の恐怖はいかばかりだったか想像もできません。
1月28日、山陽新聞社さん太ホールにおいて、シンポジウム「死刑制度について考える」が岡山弁護士会によって開催されます。犯罪がますます凶悪化し、組織的、利潤追求型になるなかでの死刑制度について、賛否両論があるなか、シンポジウムに参加して自分なりの考えをまとめてみようと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿