一人暮らしは気ままなものですが大晦日を一人きりで過ごすのは侘びしく思われ、空港に行ってみました。JALのカウンターで混み具合を聞いたところ空席多数とのことでシニア料金で搭乗しました。大晦日の東京なんて学生時代以来数十年ぶりのこと、さぞかしにぎやかな年の瀬かと思いきや、新宿の繁華街でさえ閑散としていたのにはびっくりでした。
上京した際によく行く新宿の飲み屋に行ってみました。さすがは大都会、こういう場所には私のような行き場のない孤独な人が集まって、見ず知らずの人たち同士で盛り上がっていました。カラオケのテレビモニターには紅白歌合戦が映っていましたが、知っている歌手と言えば加山雄三ぐらいのもの、もうとっくの昔に消えてていい番組なのにまだNHKはこんなものに莫大な費用をかけているのですね。居酒屋で紅白歌合戦が終わるのを待つというのもつまらなく思われ「ゆく年くる年」を待たずホテルに引き上げました。
元旦は沖縄に住んでいる友人がちょうど上京中と聞いていたので、連絡してみたところ閑そうで、彼の娘さんを含め3人でファミレスに行きました。弁護士の友人は中学校時代のクラスメートですが、実際に会って話をすると仕事がらみのメールでは感じられない友の「老い」が見えてきます。でもその「老い」は悲惨なものではありません。ファミレスみたいなカジュアルな店で正月早々まったり話をしていると、我々もほのぼのいい爺さんになったものだ、人生の苦しみの多くはすでに経験済みで今生きていること自体が何となく楽しい、そんな気分になりました。
それでも近年同年代の友人たちとの交友関係は一人また一人と少なくなってきました。死別という場合が多いのは確かですが、多くの場合、なしつぶし的に、あるいはあからさまに「もう連絡して来ないで」と言われて交友が終わることもあります。かつてあれほど親しいと思っていた友人たちがある日去っていくのです。私の友人に対する接し方に問題があったのでしょう。若い頃はそれでもつきあってくれていたのが、残り時間が少なくなった今、みなさん自分の時間を大切にすることに正直になってきたせいかと想像します。
老いの道はかくのごとく孤独なものですがそれはそれ、若い世代の人々と仲良くしていきたいものです。
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