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2008年9月25日木曜日

事故米


 もう20年前ぐらいになりますが、霊幻道士という香港製の娯楽映画が大ヒットし、日本でも子供がキョンシーの真似をして、両手を前に突き出しピョンピョン飛び跳ねていたものです。

 シリーズの何作目かの作品に、キョンシーを撃退するにはもち米が卓効を示すという話がありました。主人公の男は米屋からもち米を買って待機、まもなくやってきたキョンシーに米を投げつけたところ、キョンシーは一瞬ひるむだけであまり効き目がありません。

 男が不思議に思って米を調べたら、何ともち米にうるち米が混ざっていたのです。米屋の仕業でした。値段の安い普通米をブレンドして客をだましていたのです。

 主人公がキョンシーの再来に備えてインチキ米をざるに広げて一粒づつもち米を選び出しているシーンはおかしくも泣けるものでした。

 今でもこのシーンをよく覚えているのは、何と言ってもそこに香港流のユーモアとペーソスが絶妙な味をもって表現されていたからですが、香港や中国ではわずかな利益のためにまさかそんなせこいことをするのだろうか?、うそだろう!という強烈な驚きがあったからです。 しかし、今回の事故米騒動をみていたら農林水産省や食糧取り扱い業者がやっていることは香港の米屋よりよほど悪質かつ大規模であることに愕然。

 事故米の多くがもち米だったということは正月にスーパーで山積みされる餅は大丈夫なのか、きわめて怪しいです。 事故米が使用された焼酎や和菓子は全商品を回収して消却するしかないと思いますが、懲りない食品業界のこと、今度は回収された食品が家畜の飼料に化ける心配があります。それほど食の安全に対する信用は地に墜ちています。

 福田首相は最後の仕事として即刻太田農水大臣の首を切るべきですが死に体内閣にもうそんな力は残ってないでしょうね。

2008年7月12日土曜日

たまには映画を:エクソシスト 


 ホラー映画の古典というべき「エクソシスト」(1973)。悪魔(その名もパズズ)に取り憑かれた12歳の少女の首が360度回ったり、緑色の反吐を吐きかけたりするシーンに思わず目を背けた記憶がある人も多いのではないでしょうか。 

 しかしこの映画は人間の深層心理をえぐったドラマとして見ごたえがあり私は大好きです。ちなみに古代の悪魔パズズの姿は1万円札の裏側に描かれている鳳凰そっくり。

 少女に取り憑いた悪魔はいろんな声色を使い分けて新米のカラス神父を混乱させます。それに対して長老のメリン神父はカラス神父に「悪魔が複数いるのではない、あくまで悪魔は1人、惑わされるな」と指導。どんなに複雑に入り組んだ問題も本質を突き止めれば解決の糸口が見えるという意味で含蓄のあるセリフです。

 さて、悪魔払いの儀式のハイライトは小瓶に入った聖水を悪魔に振りかけながら「キリストの名において汝を罰する」と繰り返し唱えるシーン。しかし悪魔もなかなか手強いのです。

 キリストが生まれるはるか何千年も前、チグリス・ユーフラテス文明の時代にすでに存在した悪魔パズズがそんな呪文ごときでは簡単にダウンしません。

 キリスト(の霊的パワー)にしても全人類を救うという大仕事を今も託されているというのに、20世紀のワシントンで起きた奇妙な憑依事件の解決になど本腰を入れるとは思えず、その結果、メリン神父は心臓発作で死に、カラス神父は自分の命と引き替えに少女を救出します。

 そんな凶悪な悪魔もDVDを繰り返し見ていると何となく愛嬌があることに気づきました。口元が案外かわいいのです。2000年に発売されたディレクターズカット版がおすすめです。