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2008年7月12日土曜日

”私鉄”という誤解 

 国鉄が民営化されて20年以上になります。民営化されたのだからJRも”私鉄”かと思ったらそうでもないらしく、もともと民営だった近鉄や阪急などとは区別されています。

 さてこの”私鉄”という言葉、英語ではprivate lineと表現されていることが多いのですが、和英辞典を参考に直訳したようなこの言い方では、私鉄など存在しない国の人には思いもよらない誤解を与えるものだという経験をしたことがありますのでご披露します。

 1982年の夏、知人を訪ねて戒厳令下のポーランドにへ行ったときのこと、大阪府庁が作成した大阪の地政学、産業、文化等を紹介する英文パンフをポーランド人に見せました。

 しばらくパンフを見ていたそのポーランド人は突然「日本にはとてつもない大金持ちがいるんですね」と驚きとも溜息ともつかない声をあげました。

 パンフレットのどこを見てそんなことを言い出すのかと思ったのですが、謎が解けてみるとまるで笑い話でした。近畿地方の略図に描かれた国鉄(当時)の路線はTokaido Line などと個別路線名を記載して あったのに対し、私鉄はどれも細い字でprivate line としか書かれてなく、このprivate の一言が誤解の元でした。

 private line を民営鉄道ではなく、文字通りプライベートな鉄道と思ったらしいのです。確かに、奈良公園に向かうprivate lineは奈良を統治する大富豪一族専用列車と解釈できなく もない!

 私は「プライベート(民営)と言ってもパブリック(公共)の鉄道ですよ」と説明してポーランド人の誤解を解きました。

 では、パンフレットで私鉄をどのように表現していたらよかったのかというと、具体的にKintetsu Line, Hankyu Line などと路線名を挙げておけば妙な誤解をされずに 済んだのではないかと思った次第です。
 

2008年2月12日火曜日

当たって当惑・バリ旅行

 留守中に宅急便が来たらしく不在通知が置いてありました。某携帯電話会社からの配達物でした。

 携帯電話会社からいったい何が届いたのか、気になったのでわざわざ宅配便の営業所まで取りに出かけてびっくり、「バリ島5日間の旅」が当たったというお知らせでした。

 くじ運の悪い私なのに「こいつぁ春から縁起がいい」とばかりにツァー参加条件を見てまたまたびっくり、何ともふざけた内容でした。

 1.出発地は成田国際空港、成田までの交通費は自己負担、岡山からだと往復4万円近い出費です。2.燃料サーチャージ、空港使用料などが2万8千円。3.無料招待は応募した人本人のみ、同伴は何人でもOKだけれど参加費が1人10万円。4.権利を第三者に譲ることは不可。さらに追い打ちをかけるように、出発日はサラリーマンが一番休みを取りにくい連休明けの5月。

 バリなどせいぜい5万円も出せば関空からいくらでも行けます。50人の当選者のうちいったい何人が実際に参加するか興味津々ですが、それよりもなによりもバリのような名だたる観光地のデラックスホテルでひとりで3泊も過ごせとはいったいどういう発想法なのでしょう?イカガワシイ!

 懸賞に応募したことさえ忘れていた当選劇。「どうせ当たらないのなら一番豪華な景品を狙おう」と想ったことだけがおぼろげながら思い出されました。

 こんなことなら野菜の皮むき器かハム・ソーセージ詰め合わせセットにでも○を付けておくべきでした。

2007年12月25日火曜日

惻隠の情

 昔の職場の後輩K君を誘って年末に上海に行ってきました。空前の好景気に活気づく上海はクリスマス商戦で大にぎわい。夕方の混雑した地下鉄は老若男女みんなケータイに夢中で、その喧(かまびす)しいこと中国パワー炸裂です。

 そんな車内で気になる声が聞こえてきました。「ママパパマパマー、ママパパマパマー」と私の耳には聞こえたのですが、意味不明の言葉を繰り返しながら、少女が乗客ひとりひとりに声をかけ小銭を求めて巡回してきます。見ると頭髪の半分がなく両手の指にも重度の障害があり、しかもその手を差し出してきます。

 乗客の反応はというと完全無視。リアリストである中国人の国民性なのか、それともこういう物乞いにはもう慣れっこになっているのか、ともかく彼女がこの車両に入ってきてからの収穫はゼロでした。

 彼女が接近するにつれ私はどぎまぎしたのですが、同行の若者はさっとポケットから10元札を取り出して渡しました。10元といえば1日食いつなげる額です。ところが少女はお礼の言葉ひとつ言わずまた「ママパパ、、、」とつぶやきながら去っていきました。

 あとでK君に「君は小金をケチケチ貯めて今や大富豪なのは知っているけれどなかなかいいところあるじゃない」と言っておちょくってやったら、「いや、彼女はプロですよ。5メートル後ろから母親がちゃんと娘がいくら稼いだかチェックしていたのに気づきませんでした?」と情況を説明してくれました。

 一見哀れな親子にも計算づくのプロ根性があることを見抜いていながら、それでも心を動かしちゃんと10元渡してやるなんて! ”惻隠の情”が日本人から失われてしまったとお嘆きの藤原正彦先生(国家の品格)に教えてあげたい気分でした