2012年11月7日水曜日

チャイナ・グランプリ補足

フィギュア・スケートを生で見たのは初めての経験でした。同窓会の友人たちに送ったメールを多少加筆修正してブログに転載します。

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会場は騒々しかったのですが、スケーティングはほんとに音がしないスポーツですね。エッジをきかすときかすかに氷を削る音がするぐらいで、スケーターが無音の広いリンクを猛スピードで移動する様はCGを見ているような感じでした。

日本は今回優勝した町田樹(まちだ・たつき)もそうですが、ワールドチャンピオンレベルの選手がゴロゴロいますが、(レクサス)チャイナ・カップに登場した各種目10人ほどのうち前半の5人のレベルはとても低かったです。とくに地元中国の男子選手たちはかわいそうなくらいレベルが低くトップスター達の前座にすらなっていませんでした。

高橋は精彩を欠いていて残念でしたが王者の貫禄がありスタンディングオベーションでした。演技内容がきわめて芸術的でスポーツというよりオペラを見ているような気分になりました。このようなタイプの選手はもう二度と現れないような気がします。ちなみに高橋の出身高校、倉敷翠松は高橋のおかげですっかり有名になり、神奈川県出身の町田樹も高橋にあこがれて倉敷翠松に高校留学したそうです。(大きな声ではいえませんがこの高校は昔は○○学園という岡山では偏差値最□の女子校でした。あんたとこの娘さん、どこの高校いきょん?と聞かれてもうつむくしか)

アクシデントもありました。テレビ中継されたかどうか知りませんが、男子フリーの後半4人が5分間のウォーミングアップをしていたとき中国の選手とアメリカのリッポンが衝突し、中国人選手が氷の上から立ち上がれないまま退場するというアクシデントがありました。リッポンはちょっとだけ気にして倒れている選手に声をかけていましたがすぐに練習に復帰。ところが事件に無関係の高橋は中国人選手を気遣ってそばにいっていました。こういうところが高橋のいいところですね。人間の良さが出ています。

結局、中国人選手は担架で運ばれていき、試合には復帰できませんでした。そして、5分間の練習も中途半端だったので、仕切直しになりもう5分追加されました。こうした様子を見ていて私は神経が細い高橋に悪影響があるのではないかと、高橋の表情を2メートルほどの距離から見ていたのですが、やはりでした。

浅田真央は中国人にとってもアイドルのようで高橋同様大人気でした。すごくきれいで品がありますね。

上海の地下鉄は便利なのですが、終電がほとんどの駅で10時台。フリーのあとペアー、さらに表彰式まで見ると終電に乗れないので男子フリーを見終わったところで会場を離れました。初日には会場付近に飲食施設が絶無であることを知らずに午後3時から午後10時過ぎまでパンひとかけらで耐えるというつらい目にあったので、2日目は、コンビニ弁当、サンドイッチ、おにぎり2個、水代わりのミカン4個を持ち込みました。帰国して録画していたテレビ中継を見たら、弁当にくらいつく白髪薄毛デブのおっさんが写っていました。

フリーの日の席は選手が入場するコーナーのすぐ上で、演技直前の緊張した選手の表情が手に取るように分かる位置でした。私はフリーの試合は最初のプログラムであるアイスダンスが終わってから会場に入ったのですが、やはり席には先客がいました。日本人グループで大学生らしき男が座っていました。無言でチケットをちらりと見せてどかしたのですが、するとヤツは私のことを中国人と思ったらしく、連れの女に「このおっちゃんが席をあけろというから後にいくわ」などと言っていました。
「ここはもともとおっちゃんの席ですけど、それが何か?」と言ってやればよかった。

尖閣問題の影響についてはほぼゼロでした。日本人だと言っても別にいやな目にあうこともなく、いつもと変わりませんでした。ただ国営マスコミがしきりにあおっていました。沖縄の暴行事件を詳しく報道し、沖縄では民衆による反米、反政府運動が盛り上がっている、と余計なお世話の報道に熱心。尖閣の次は沖縄を狙っているのが見え見えです。

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