2022年7月7日木曜日

生食すると危険なサヤインゲン

家庭菜園向きの野菜としてサヤインゲンは育てるメリット上々です。というのもスーパーで売っているサヤインゲンは値段が高く、量も少ないうえに鮮度もすぐに落ちます。インゲンこそ晩春から晩夏までいつでも種蒔きができるのでぜひ家庭菜園に取り入れたい野菜のひとつです。

種類は大きく分けてつるあり種とつるなし種があります。つるあり種の方が長期間次々と収穫できるのでベターなのですが、つるを誘導する支柱を設置するのがめんどう。これに対しつるなし種は低い位置で生育が止まるのでプランター栽培にも好都合です。

今年は久しぶりにつるなしの種を買って菜園で育てたところ大豊作でした。定番の食べ方はサヤインゲンのゴマ和えや肉料理の付け合わせなどでしょうか。ところでサヤインゲンによく似た豆にササゲがあります。とくにタイ料理で有名なソムタムに入れる長さ40センチぐらいあるササゲは三尺ササゲとも呼ばれ、タイでは生のまま食べます。

「未熟なササゲは生で食べられる!」いいことを知ったと思いました。サヤインゲンもソムタム風に生で食べられるのでは? 危ないところでした。サヤインゲンはササゲと異なり有毒成分であるレクチンが多量に含まれているのでサヤインゲンでもインゲン豆でも生食/不十分な加熱は厳禁とのことです。

ちょっと調べてみたら、インゲンほどではないにしても多くの植物にレクチンは広範に含まれ、その数、数千種類!グルテンもそのうちの一つとかで、生の食材に無頓着であってはいけないと思いました。動物と異なり植物は外敵の攻撃に対し、動いて逃げることができないので、簡単に食べられないようにさまざまな有毒成分で武装しているそうです。

一方、人間の知恵も大したものです。大半の有毒成分は煮たり焼いたりの加熱で活性を失うことを経験から学んできました。またアクを取ることによってワラビやコンニャクなどもおいしく食べています。

戦後の食卓に登場したサラダは、健康的なイメージと裏腹に、植物が持つさまざまな毒性分を無防備に摂取することに他なりません。戦後アトピーやアレルギーが爆発的に増えたのはそのせいでは? 昔の人が安易に生ものを食べなかったのにもそれなりの理由がありそうです。


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