2007年7月26日木曜日

ガスパン遊び

 仙台の中学生6人がガス爆発で大やけどを負った事件の詳細が分かるにつれ、子供の世界で今何が起きているのか、自分はまったく無知であることを思い知らされました。

 ライターや制汗スプレーのガスを吸引するらしい”ガスパン遊び”。この耳慣れない言葉はすでに平成9年の「警察白書」において少年非行の実例として報告されており、驚くべきことに平成8年だけでも16人の少年が死亡しています。死者まででているのに今回の件のようなハデな事故がおきるまで見逃されてきたことが残念です。

 それにしても、シンナーが規制されて入手しにくくなったので、今度はガスを吸ってみようというのは、いかにもありえる”工夫”です。カナダの奇才クローネンバーグ監督の映画「裸のランチ」にこんなシーンがあります。

 大戦直後のニューヨーク、インテリ作家がゴキブリ駆除のアルバイトをしているのですが、どうも殺虫剤がすぐなくなるので変だと思っていたら奥さんが横取りして自分の腕に注射していたのです。亭主は亭主で南米産の巨大ムカデの干物を乱用して、、、と話は限りなくアブナイ展開をたどります。

 映画は全編極端にグロテスクなイメージに満ち満ちていて、そこがまたこの作品の魅力でもあるわけですが、まさか現代の日本の中学生が「裸のランチ」以上のシュールな世界にはまりこんでいたとは!

 少年たちを現実に引き戻す方法はあるのか?、子供たち一人一人が心と体に負った傷のリアルな痛みに向かいあう以外だれもどうすることもできないのでは、と思います。

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