2010年4月23日金曜日

鳩山さんの「いのち」とは

 鳩山無責任内閣の迷走と無策ぶりにはあきれるばかりです。それでもせっかくの政権交代なのでもう少し長い目で見守っていくつもりでした。
 しかし、中国において日本人死刑囚が覚醒剤密輸事件で刑を執行されてしまった件に対して日本政府がとった態度を見て私の心はきまりました。もはや民主党政権には何も期待しない、一刻も早く政権の座から降りてもらうべきだと。
 4人の日本人死刑囚に対する近日中の執行が通告されたというのに政府は「懸念を表明する」という屁みたいなコメントを表明しただけで、「内政には干渉しない」というとんでもない物わかりのよさで応じました。これは昨年末イギリス人死刑囚の執行が予告されたときブラウン首相が激怒して30回近く強硬に抗議したのとまったく対照的です。
 まだ記憶に新しい鳩山さんの施政方針演説「いのちを守りたい」とはいったい何だったのかと思います。たしかに中国の法を犯したかもしれないけれど国際的に見れば死刑相当とは言えない日本人犯罪者のいのちは簡単に見捨てていいのでしょうか。鳩山さんには「中国が死刑を強行した場合は上海万博には行かない」ぐらいの脅し文句の一つでも言うだけの根性はなかったのでしょうか。こういう人に「いのちを守りたい」などという夢みたいなことを何十回も聞かされたくないと思いました。
 伝統的に帝国主義的な外交政策で評判の悪いアメリカも自国民救出には国務省が総力でかかるし、アヘン戦争の原因を作ったイギリスは中国に対して言わば「脛に傷を持つ」身ながら上述のとおり人権問題にはなりふりかまわず抗議します。こういうところがアングロ・サクソン人の立派なところだと思います。
 今回の執行予告に関して日本のマスコミで正面きって中国批判をした新聞はひとつもなく、現地からの特派員報告の形で事実だけ手短に伝えていました。こうした報道姿勢も中国政府にどんなに勇気を与えたことか、桜は満開なのに気分は重いです。

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