2019年3月2日土曜日

2019年3月1日、古関すまこ舞踏公演を見て

https://youtu.be/UmyzYBeGrE8

このリンクは公演で使われた、In heaven eveything is fine という歌のオリジナル曲です。デイビット・リンチ監督「イレイザーヘッド」、グロテスクで悪夢のような傑作、のいわばメインテーマ。
終盤、イタリア語のナレーションがありましたが出典は分かりませんでした。翌日すまこさんから聞いたところ、パゾリーニの「奇跡の丘」(原題: マタイによる福音書)の一部だそうです。

中学校時代のクラスメート4人がかぶり付きだったので古関さんも苦笑されたことでしょう。圧倒的な舞台でした。古関さんもこれまで岡山での公演で抑えていたsumako koseki をかなり出したとおっしゃっていました。もっと大胆に!

片翼の天使がもうひとりの片翼の天使に出会い、惹かれあい、ついに合体するシーン。プラトンの、確か饗宴に、何故人はある特定の人と恋におちるのか? その理由を考察したところがあります。元々ひとりの人が生まれてくるとき、半分ずつこの世に出現する。それ故、これら半分ずつの魂が出会ったとき、元のひとつに合体しようとする強い力が働く、それが恋に落ちるメカニズムだと。
私は古関さんと若い片翼の天使のシーンをそのように解釈しました。

実際、エロチックで美しいシーンでした。牛窓から観にきた人も、超一流の舞踏がここ岡山で見れるってすごい、しかもチケットが安過ぎ!と感想を述べていました。

公演のあと牛窓のH君とマドモワゼル・Aの3人で夜食を食べに行き、時が経つのを忘れて、気付いたら零時前。駅まで走って最終の倉敷行きに間に合いました。そろそろ降りるべき駅かなと思ったら乗り過ごしていました。タクシーで近くの駅までもどるという失態をしでかしました。

このブログ初登場マドモワゼル・Aとは若いころパリのガリマール出版社で働いていたという才女。これまた、何故こんな人がこんなわびしい牛窓に?と思わずにはいられない異色の人です。他所から来た人ではなく牛窓ネイティブ。ガリマールはフランスの岩波書店という感じの憧れの出版社です。1980年代に古関さんもAさんも共にパリで青春を過ごしていたことになります。後々こうしてふるさとの岡山で初めて出会うことになるとも知らずに。人生は面白いと思いました。

人生には悲しいことの方が多いですが、絶望から救ってくれるのは、文学、広くは芸術だけというのが、私の実感です。古関さんありがとう!そして私のゴリ押し気味のお声かけに足を運んでいただいた皆様に感謝いたします。

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