2019年5月13日月曜日

夏目漱石

連休が終わり梅雨までのひと月あまり昼間は暑く夜は冷えるような日が続く。ジャガイモに花が付き玉ねぎの収穫も間近。こんないい季節なのに学校や会社では五月病、いやこの頃は六月病になる人が多いという。
これは何も若い人に限ったことではなく、私のまわりに鬱々としている人が何と多いことか。私だって夕暮れ時から夜の10時ごろまでたまらない寂寥感に襲われる。

数年前、文芸学者の西郷竹彦先生と漱石の「夢十夜・永日小品」を読んだ。漱石の闇の深さにぞっとし、忘れ得ぬゼミになった。漱石の死後100年が経過し、漱石の作品が古くなるどころかますますリアルに身に沁みる。

老いの坂をどのように生きていけばいいのか分からない。幼なじみの舞踏家は愛息がフランスに帰り、「プチ鬱」になったというメールを寄越してくる。「お菓子な感じ」(ママ)と誤変換しているのも気付かず送信してくる。彼女もパリに帰った方がいいのではないかと思う。しかしパリにはパリのspleenが150年前同様漂っているだろう。より絶望的な姿になって。(ボードレール パリの憂鬱)

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