2019年9月3日火曜日

マンションのハトと格闘(下)

 台風の雨風が激しいなか、ハトの巣を撤去し積もりに積もった糞を片付け、徹底的に掃除したので、もうハトはここには来ないだろうと思ったのが大間違いでした。34日後には再びハトが帰ってきて、グルグル鳴いて、ベランダやエアコンのダクトに糞をまき散らしています。
 私もそれなりにいろいろ対策を研究し、ベランダにテグスを張ったりゴム風船をエアコンダクト周辺にぶら下げたりしましたが効果はいまいちでした。帰巣本能がほかのどんな鳥よりも高度に発達したハトは防鳥ネットで侵入を物理的に阻止する以外無理っぽいのです。とりあえず今は様子見するしかない、と思ってのんびり構えていたら、事態はのっぴきならないことになりました。
 郵便受けにマンション管理会社から「事務連絡」が入っていて読んでみると、私の部屋の直下にある平面駐車場の車の持ち主からハトの糞害について苦情があったので、ベランダの手すりにテグスを張るなり、剣山を置くなり、対策をしてほしいとのことでした。マンション住人のなかでもなかなかのうるさ型オヤジの文句タラタラ顔が目に浮かびます。
しかし……、前号記事で述べたように、マンションの東側に面した住戸だけ防鳥ネットが張られていないのがそもそも手抜かりであり、それは管理組合で検討すべき課題、もし私が下手にベランダの手すりに剣山を置いたり、テグスを設置して、それらが風雨に当たって車の上に落下したらそれはそれで文句を言ってくるに違いありません。
 とはいうものの、そんなことを理由に日々糞害に憤慨しているジイサンをいたずらに刺激してもきっといいことにはなりません。近年ささいなことで血を見る事件が毎日のように報道されています。そこでとりあえず、管理会社の提案に沿った形でテグスを張り直すことにしました。
物知りの友人の意見では、テグスと手すりの間隔は10センチメートル空けるべき、ということで、ところどころ発砲スチロールの板をかまして糸を高く張ってみたら今度ははっきり効果がありました。見えない糸が足にからんでハトは大パニック。人間の知恵も大したものです。ハトの止まり木の役をしていたエアコンダクトはプラスチック剣山で覆いました。つかの間の平和かもしれませんが、ハトとの戦いは一時休戦です。

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