2020年11月1日日曜日

嫌な英語表現

   久しぶりにカナダの従姉からメールが届きました。トピックのひとつに愛犬のコビーが死んで悲しい、というのがあり、時を同じくして、こちらでもマドモアゼルの喫茶店の看板ネコが同じころ死んで、マドモアゼルを手伝ってグレちゃんを懇ろに葬ってやったところです。

従姉の愛犬コビーは安楽死させられたようで、英文では、Last Wednesday we had to put our dog Kobi down. She had been struggling for over a month. It has been sad and we miss her.
となっていました。飼い犬などの安楽死は put one's dog down と表現するそうですが、文字通りに解釈すれば「潰す」というイメージです。昔は日本の農家では、「今日は鳥スキするから、1羽潰してきて」と夫婦で会話していたものです。また、日大アメフト選手危険タックルのコーチが「関学のxxを潰してこい」などと命令していたときの「潰す」がこの put down の語感でしょう。
私ならギリシャ語由来の、和英辞典に載っている Euthanize を使うと思いますが、これはもしかして人間にしか使わないのかもしれません。ペットは家畜なので、擬人化して安楽死させるのではなく、潰すのが英語圏の発想なのでしょう。

小学生のとき、私が生まれたときから家にいたクロという黒犬がフィラリアで苦しみ次第に腹水がたまりどうにもならなくなりました。ついに父が安楽死を決断し獣医に連絡を取りました。ところがその日はクロの体調が少しよくて、私は父に泣いて取りすがり、安楽死させるなと抗議。でも獣医はやってきて塩化カリウムを注射しまもなくクロは死にました。とても悲しい事件でした。とてもじゃないけど、英語のように「フィラリアは不治の病なので可哀想だけどツブしましょう」なんて言えないです!

ペットを飼うと最後はこういうつらい別れが必ずくるのに、ネコは「ここは与しやすし」とかぎ分けた家に上手に入ってきますね。

元気なころのグレちゃん





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