2020年11月5日木曜日

晩秋の大阪日帰り旅行

 アメリカ大統領選の開票がもめにもめている最中に、2月以来9か月ぶりに大阪まで日帰りで出かけました。コロナが再び増加に転じるなか大都市に行くのは正直怖かったのですが、あまりにも長いあいだ岡山という安全地帯に閉じこもっていては息が詰まるという思いもあって、大した用事もないのにとにかく大阪に行ってくること自体を目的に出かけてみました。

久しぶりに乗った新幹線のぞみ号で小さな変化に気づきました。今までは英語のアナウンスは女性の声の録音が流されているだけでしたが、今回初めて肉声による英語アナウンスを聞きました。乗車したのぞみが福山と岡山の間で減速したので、岡山駅を3分遅れで発車したことをお詫びする、という突発的な内容のアナウンス、それを日本語に続いて英語で男性車掌さんが流暢にしゃべったので、これは録音ではないなと思った次第です(それとももっと高度な英語自動アナウンス生成システムを導入したのかもしれない)。

新大阪駅で地下鉄御堂筋線に乗り換えのですが、平日の昼間とはいえ車内ががら空きだったのは驚きでした。心斎橋で電車を降りて道頓堀まで歩いてみて街に人が少ないのにはびっくり。立ち並ぶブランドショップにお客の人影はなく歩道からでも所在なげに立ちつくす店員の姿がよく見えます。ここ数年のミナミは歩道の上はもちろんあらゆる種類の店は面的、立体的に人であふれかえり、身動きならなかったというのに……。

せっかく大阪まで来たので、昔の職場の後輩君を呼び出して、いつもの千日前・丸福珈琲店で落ち合いました。丸福は昭和9年創業の、大阪を代表する老舗カフェで、ここにはなにわの雰囲気が10年1日のごとくいまだ色濃く残っています。赤や青の派手なジャケットを着た老人がひとり競馬新聞なんかを読みふけっているところなど何やらパリのカフェを彷彿とさせるものがあり、こういう景色だけはいつまでも変わってほしくないものです。

結局大阪では丸福で濃いブレンドコーヒーを2杯飲んだだけで友人とは人気のなくなった黒門市場を散策して分かれました。友人は安倍元総理を苦しめた潰瘍性大腸炎で腸が詰まり食事ができない状態がもう3日も続き食事どころではないのに、本人はもう慣れっこのようす。見るからに痛々しいのですが治療方法がない故の難病人生です。コロナが終わったらまたヨーロッパかタイに遊びに行こう、とあまり現実感のない約束をして新大阪駅へ向かいました。



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