2008年7月12日土曜日

カクレガニ


 スーパーでパック入りのアサリを買って帰りました。パックを破ってアサリをボールに取ろうとしたら何か小さな生き物がアサリの間を動いていました。

 よく見たら体長2ミリくらいの小さなカニでしたが、アサリの味噌汁の中によくいるやつのようです。

 困った。私はこういう生き物の命を奪うことにめっぽう弱いのです。旅館の豪勢な夕食に出てくる伊勢エビやアワビの残酷焼きなど目をそむけないないではいられません。

 アワビが灼熱の陶版から逃げようと身をよじっているのを見ると食欲も吹っ飛んでしまいます。けれども数分後、目に入るのはアワビやエビの焼死体ではなくぜいたくなごちそうではあるのですが・・・ 

 さて、アサリを五右衛門風呂のようなナベに放り込むのにもやや抵抗があるのですが、きょうのカニのような食用ではない生物の場合は特に悩みます。無用な殺生は罰当たり、小さなカニはやはり海に返すべきではないか?

 しかし海は遠いし、ひまもなし。いっそ瞬時にひねりつぶしてやる方がいいと思って、指でつぶそうとしたのですが、小さくても意外に頑丈でつぶれません。

 下水に流しても生きていけるわけではないし、結局このカニはアサリと運命をともにしてもらうことにしました。食べてやることが供養になるという理屈をつけて。小さくてもカニの味がしました。

 ところでこのカニにも名前がありました。「カクレガニ」、名前のとおり安全な二枚貝の中に隠れ棲んでいる利口者ですが、へたをすれば宿主のアサリといっしょに味噌汁にされてしまうところまで知恵が回らないのが悲しいです。

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