2019年11月13日水曜日

キムチ

 まもなく韓国が一方的に破棄を宣言したGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の有効期限が終了しようとしています。日本政府は徴用工問題を韓国政府が責任をもって解決しない限り、韓国に対する輸出管理の厳格化を緩める気配を見せず、ひとり韓国政府があせりまくっている状況です。
 一般の世論も一時は韓流ブームやK-POPで好意的であったのに今や民間の日韓交流まで冷め切っています。昔は韓国が一方的に反日をやっていたのに今では日本も嫌韓をおおっぴらに表明してもかまわないといった雰囲気が作られています。情緒的にも噛み合わない日韓関係にあって、韓国発祥と言われるキムチだけは、世界の発酵食品の歴史のなかでも特別すばらしい発明のひとつであり、文句なしに「さすが!」と賛辞を贈りたいと思います。
 昔からときおり発作的にキムチを食べたくなる衝動にかられます。スーパーにはいろんな輸入品や国産キムチが色とりどり並んでいますが、できれば手作りが一番です。そんななか最近YouTubeで発見した韓国系の料理研究家のコウ ケンテツさんのレシピは作る前からおいしそうな感じがして、さっそく白菜を買ってきて仕込んでみました。
 白菜をいったん5%の塩で漬けてそのあと自家製キムチヤンニョムとともに漬け込みます。ヤンニョムの中身は韓国産のトウガラシ、アミの塩辛、ナシ、リンゴなどの果物、ニラ、セリ、ニンジン、ダイコンなどの野菜、それにショウガ、ニンニクなどの薬味を加えたものがベースです。私はバリエーションとしてイカの塩辛、ワケギ、今がシーズンの柿などを加えて仕込みました。
 晩秋のおだやかで暖かい日が差し込む部屋に置いて乳酸発酵が進むのを待つこと3日、もうすでに最高のキムチに仕上がっていました。アミの塩辛は手作り、野菜や果物もできるだけ庭で採れたものを使ったのでおいしくないはずがありません。

 考えてみるとそれぞれ単品では単調な野菜、果物、海産物、香辛料をこれだけぜいたくにまた複雑に組み合わせた食品は、キムチのほかに思いつきません。トウガラシも極端に辛いわけではなくかすかな甘みが胃を刺激します。個性豊かで強烈な食材が作り出す絶妙のハーモニー。日韓の対立もいつかはこの超絶食品のように止揚(アウフヘーベン)する日が来るのでしょうか?

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