2007年11月7日水曜日

連帯保証人

 大学生になって親元を離れる日、母から一言だけ注意をうながされました。「いかなる事情があっても連帯保証人になってはいけない」と。それは母自身、母の父親が寺の和尚にだまされて連帯保証人になったばかりに身代をつぶしてしまった苦い体験があったからです。

 さいわい人望のない私に連帯保証人になってくれというような話はこれまでの長い人生で皆無でした。ところが最近、若い人からマンションを借りるのに連帯保証人になって欲しいと言われおおいに当惑しているところです。

 そもそも公務員を辞めて無収入の人間が連帯保証人になどなれるわけもないのですが、それでも早くに両親を亡くした若い知人にとって保証人探しは大変だろうと同情します。

 ふりかえってこの連帯保証人の制度を調べてみるときわめて日本的な制度らしいことが分かりました。とりわけ不可解なのは保証人の責任が無限に大きい割には報酬が支払われることがまれなこと。

 頼む方は友人や親戚に泣きつかんばかりに哀願して保証人になってもらうくせに後は知らん顔。

 一方連帯保証人にされた人はいつも「甥っ子のヤツ、公金に手を出さないだろうな」とか「セクハラ事件なんか起こさなないだろうな」とときおりうずく虫歯のような不安をかかえて何十年も過ごさないといけません。

 まして金がからむとたちまち青木雄二の漫画「ナニワ金融道」の地獄に直行です。意味のない連帯保証人の制度は公序良俗に反する行為として民法から追放することはできないものでしょうか?

1 件のコメント:

やさい さんのコメント...

 親の遺言で「(連帯)保証人には絶対なるなと言われてる」などと冗談で聞くことが多々ありますが、本当にそんな人がいるとは思いませんでした。
 私も保証人を探すのには大変苦労しました。結局、親戚が引き受けてくれたのですが、亡くなると又探さなければなりません。その際は、是非お願いしたいものです。